　体重が気になる、という方は多いでしょう。私も医者に”やせろ”と言われます(ノД`)少しでも体重を減らしたいなら、南に行きましょう。そして山に登るのです。そこで体重を量れば、ほんの少し、ほんのすこーし体重が減ります。ま、誤差の範囲ですが。

　体重とは、質量×重力加速度です。この重力加速度（G）というものは、場所によって異なり、北極や南極といった極地では大きく、赤道直下では小さくなります。したがって、赤道に近ければ近いほどGは減るので、体重も減るというわけです。また、高度が高い場所（例えば山の上）でも、Gは少なくなります。

　さて、我が国は南北に長い列島です。そのため、北海道と沖縄ではGの値が異なります。しかし、その都度Gを計測するわけにもいかないので、国土交通省が「日本重力基準網」という基準を制定しています。体重計のメーカーは、この基準を元に体重計の数値を補正しています。だいたい２パターンか３パターンくらいでしょうかね。なので、北海道で購入した体重計と沖縄で購入した体重計を東京に持ってきて計ると、ほんの少しだけ数値が異なる結果になるはずです。

　さて、そんな基準が2017年、40年ぶりに更新されました。「日本重力基準網2016（JGSN2016）」として公開されています。これによると北海道北部のGは9.806m/s^2、沖縄では9.791m/s^2となっています。たとえば、質量が80kgなら、約0.008gの差が生まれることになります。

　それだけの差か！　と思うかも知れませんが、こうした重力の基準値は、GPSや「みちびき」などの衛星測位システム（GNSS）で、標高などを決める際にも使われるので、重要な数値だったりするのです。