国際競争から国際協力へ

 先日、「JAXAが有人月面着陸へ」というニュースが流れました。中身を読むと、国際協力で月を目指すというもので、タイトル詐欺に近い気がします。というのも、JAXAの正式なリリースではありませんし、そもそも何年も前から月を目指すことは公表していますから。なぜいまさら? という気がしないでもありません。


 NASAやJAXAなど、世界各国の航空宇宙研究機関は、国際宇宙探査協働グループ(ISECG)という組織を作り、将来の宇宙開発に関して国際協力を進めて行こうとしています。すでに、2011年と2013年に「国際宇宙探査ロードマップ」を発表しており、この中でJAXAの宇宙探査計画も明記されています。


 国際宇宙探査ロードマップ(第二版:日本語訳)

 http://www.jaxa.jp/projects/sas/planetary/files/roadmap_2_j.pdf


 最初に発表されたロードマップでは、「火星有人探査」をゴールであるとしながらも、「小惑星探査」と「月探査」のどちらを先にやるかが決まっていませんでした。というのも、アポロ計画で月に到達しているアメリカとその他の国々で思惑が異なったからです。2013年のロードマップでは、月探査が優先されることになりました。

 ロードマップの中に記載されている計画では、2030年より前に月軌道上に有人の基地、そして月面の基地を国際協力で作るということになっています。


 実は、2013年のロードマップが策定されてから、中国がISECGに参加しています。JAXAが主催した月探査フォーラムでも中国国家航天局(CNSA)の方が見えて、中国の探査計画に関する講演をしています。前回のロードマップ策定から五年が経過していますし、中国を加えた新たなロードマップを早く公開して欲しいものです。

と、思ったら出てたよ、2018年版!

https://www.globalspaceexploration.org/wordpress/wp-content/isecg/GER_2018_small_mobile.pdf


ニュースはこれが元ネタか!

これからチェックしないと(ノД`)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る