人型ロボットのゆくえ


 ホンダがASIMOの開発を止める――そんなニュースをNHKが報道しました。ASIMOといえば、ホンダのエンジニアが「鉄腕アトムにあこがれて」作り上げt、自立型二足歩行ロボットの先駆けです。今でこそ、ボストン・ダイナミクスがバク宙するヒト型ロボットを開発していますが、その始まりはASIMOだったと言ってもいいでしょう。


 ASIMOは元々、ホンダの正式なプロジェクトではありません。「アンダー・ザ・デスク」(だったかな?)という「定時後、仕事と関係ない開発してもいいよ」というホンダの社風から生まれたものです。余談ですが、こうした社風が、ホンダ・ジェットの成功に繋がっているのかも知れません。

 バージョンアップの都度、性能が向上しており、階段上ったりじゃんけんしたり、ホンダのショールームなどでも人気です。技術的にも、下半身部分の要素技術が公開されているなど、科学技術の発展にも貢献しています。ホンダでも、バイクや下半身のパワーアシストといった製品に、ASIMOの技術が応用されています。


 で、ホンダがASIMOを止めるというのは少しニュアンスが違う報道で、ホンダのコメントによると「ASIMOという名称になるかは分からないが、ヒューマノイドロボの開発は続ける」ということなので、一安心ですね。


 そういえば、前述のボストン・ダイナミクスは、気持ち悪い(笑)ロボットを作ることで有名ですが、個人的には二足歩行ロボットを作ったことに驚きました。というのも、海外、特にキリスト教圏では、人型に近い二足歩行ロボットを作ることに抵抗があるのではないかと思っていたからです。キリスト教では、「神の姿に似せて人間が造られた」としています。つまり、人型のロボットは神の姿にも似てしまうことになるので、不遜であると考える人が多いだろうと。でも、最近ではNASAのロボ・ノート「ヴァルキリー」とかもありますから、あまり気にしていないのかも。


 日本では人間に近いロボットに忌避感はありません。鉄腕アトムもそうですが、それ以前にもロボット三等兵とかタンクタンクロー(ちょっと違う)とかありましたし、からくりの茶運び人形や弓曳童子、學天則など、さまざまなロボットがありましたから。

 そうした長い歴史がある日本のロボット技術が、今後も発展していくことを願ってやみません。

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