飛行機の音、小さくなってます

 航空機が抱える大きな課題のひとつに、騒音問題があります。国際民間航空機関ICAOは、騒音に対する基準を定め、航空機はその基準に適合しなければなりません。

その基準もどんどん厳しくなっており、2017年末からは2013年に合意されたChapter14という基準が適用されています(最大離陸重量が55トン未満の機体は2020年末から)。

 このあたりは、国土交通省が公開している資料を読むと、詳しく書かれています。


 航空機の中で、もっとも大きな騒音発生源はエンジンで、これはかなり騒音低減が進んでいます。しかし、規制は厳しくなる一方……で、目を付けたのが機体騒音です。いわゆる風切り音ですね。

 特に離着陸時には、高揚力装置や着陸脚のために、おおきな機体騒音が生まれてしまいます。


 6/15に、NASAが機体騒音低減の実証実験についてリリースをただいました。

 https://www.nasa.gov/press-release/nasa-technologies-significantly-reduce-aircraft-noise


 元記事をご覧いただければ分かりますが、脚の部分にカバーを掛けています。こんなんで音が小さくなるのか? と思うかも知れませんが、これが意外に効くのです。バイクでいえば、カウルみたいなもの。抵抗を減らして騒音も減らすというものです。

 実は、同様の実証試験を日本、JAXAも行っています。昨年度まで行われていた「FQUROH」プロジェクトという研究で、同じように脚と、高揚力装置部分にカバーを付けることで、機体騒音を減らせることを実証しています。このFQUROHプロジェクト。アレが順調だったら、アレをこうして、こうなって、ということが検討されていたりいなかったり。

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