回転翼機はぐるぐる回る
ヘリコプター(回転翼機)は、ブレードが回転することで揚力を生み出し、機体を浮上させることができます。原理的には竹とんぼと同じです。しかし、竹とんぼに人が乗ることを想像してみてください。竹とんぼの回転に合わせて搭乗者も回転してしまいます。この回転させる力が、トルク(軸周りのモーメント)です。では、竹とんぼに搭乗席を作るのではなく、回転しない機体をくっつけたらどうなるでしょうか?そうした場合、軸の回転とは反対方向に機体を回転させる力が生まれるのです。この力を反トルク、カウンタートルクと呼びます。このカウンタートルクをなんとかしないと、搭乗者は目が回って操縦どころではなくなってしまいます。
一般的なヘリコプターの場合、大きなメインローターの後方に、メインローターに対して90度の角度を持った小さなローター、テイルローターが配置されています。このテイルローターが、カウンタートルクを打ち消しているのです。テイルローターはヘリコプターの方向を決めるためではないのです。ヘリコプターがどうやって進むのかについては、また機会があれば書きましょう。
以前にも書きましたが、二重反転ローター(同軸反転ローター)は、一つのローターによるトルクを、同じ軸に付けられたもうひとつのローターを逆回転させることで打ち消しています。小型化という点ではメリットがありますが、機構が複雑になることや気流の流れが複雑になるので安定性に欠けることから、玩具ではよく見かけますが人が乗るようなヘリコプターには、ほとんど採用されません。
二重反転ローターは、ツインローター方式に分類されます。ツインローター、つまり二つの大きなローターという意味です。それに対して、一般的なヘリコプターはシングルローター方式と呼ばれます。
ツインローター方式には、二重反転ローターの他に、タンデムローターがあります。二つの大きなローターを前後に並べた形で、それぞれが反対方向に回転することで、トルクを打ち消しています。大きな揚力を得ることができるので、大型ヘリ――輸送機のような――で採用されています。
ツインローターは、そのほかにもサイドバイサイドや交差双ローターなどの形式があります。
そして、最近流行のローターが四つ以上ある小型ドローンは、マルチローターと呼ばれます。マルチローターのローターは、必ず偶数です。でなければ、カウンタートルクを打ち消せずにくるくると回転してしまいますから。
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