宇宙でバーベキュー

 真空の宇宙は、とても冷たい場所というイメージがあります。たしかに、太陽の光があたっていない場所では、物体は低温状態になります。たとえば、月のクレーターにある永久影のような場所では、二酸化炭素が凍りドライアイスとして存在しています。

 つまり、光が当たっている場所とそうでない場所の、温度差が非常に大きいのです。そのため、衛星などではポリイミドのような断熱材(金色や銀色にキラキラ輝くアレです)が使われています。なお、人工衛星や探査機では、内部の機器から発生する熱も含めて、機体全体の熱制御、サーマルマネージメントが重要な技術のひとつに挙げられます。


 最近ではあまり聞かれなくなりましたが、以前の人工衛星では「バーベキューロール」という方法で熱衝撃を和らげていました。要するに、特定の面が太陽に晒されるのを防ぐため、バーベキューグリルのようにくるくると機体を回転させる方法です。回転によって姿勢を安定させるような衛星にとっては一石二鳥と言える方法ですが、宇宙望遠鏡のように静止している方が望ましい衛星などでは、使えない方法ですね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る