じゃぁ、エンジンはどうなのよ
ソニックブームのネタへ、エンジンはどうなっているの?というコメントをいただいたので。
現在、軍用では音速を超えて飛行する戦闘機がたくさんあります。基本的な考え方として、こうした戦闘機に利用されているエンジンを使えば、旅客機でも超音速で飛行できます。機体構造やら燃料の問題などいろいろと解決しなければならないことはありますが、エンジンそのものはあります。
たとえば、自衛隊の持っているC-1やP-2には、航空装備研究所が研究開発したF-7エンジンが使われていますが、F-7のコアエンジン部分はF-5エンジンとして、先進技術実証機X-2に使われています。
超音速飛行を実現するコアエンジンですが、燃費が悪い。なので、前方にファンブレードを付けてバイパス比を高くして燃費を向上させます。音速を超えることはできませんが、燃費は向上するので、旅客機のエンジンにはファンが付いた高バイパスエンジンが使われるのです。
話がそれました。
スクラムジェットも超音速を実現しますが、速度というよりは、宇宙との往復が可能なエンジン、スペースプレーン用のエンジンと捉えた方が良いでしょう。
では、超音速用エンジンは研究されていないのか?と言えばそんなことはなく、超音速のさらに先、マッハ4~5という速度を実現するためのエンジン「極超音速エンジン」がJAXAで研究されています。
この極超音速エンジンは、石油を元にした航空機用燃料ではなく、液体水素を使います。極超音速の世界になると、エンジンに入ってくる空気の温度は1000℃にもなります。ここに燃料を混ぜてしまうとその瞬間に燃えてしまいます。そこで、まずインテイクから入ってくる空気を液体水素で冷却し、さらにその空気に液体水素を混合して燃焼させるというコンセプトなのです。
極超音速エンジンの風洞実験では、マッハ4での燃焼試験に成功しています。今後、6メートルほどの実験機を製作し、実際に飛行させる計画とされています。
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