火星で飛ぶ

 もし地球から別の天体に移住するなら、火星が第一候補になるでしょう。火星はおよそ2年周期で地球に近づきますし、大気も存在します。金星よりはずっと人類が生存しやすい環境でしょう。


 大気がある、ということは、航空機を飛ばすこともできます。そのための航空機が世界中で研究されています。なぜ航空機なのか。ローバーは詳細な探査を行うことができますが、移動に時間がかかりますし地形によっては進むことができません。衛星は惑星全部を観測できますが、細かい部分の探査はできません。航空機は、両方の間を埋める手段なのです。


 火星で航空機を飛ばすうえで問題になるのが、揚力です。火星の重力は地球のおよそ3分の1ですから、重力に対しては火星の方が有利ですが、大気密度は地球の100分の1しかないので、地球と同じような設計では十分な揚力を得ることができません。火星でも飛行できるような翼の形状や構造、推進方法などを研究開発する必要があるのです。

 またNASAでは、昆虫の羽根を参考にした小型の羽ばたき機の研究も行っています。はばたき機であれば、十分な揚力が得られると考えられていますが、長距離の移動には剥きません。そのため、ローバーを母艦として、必要に応じて利用するような形で運用されるといいます。

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