燃え尽きるまで…… 大気圏突入
私の小説でも書きましたが、大気圏再突入の際、真っ赤に燃えるのは空気抵抗による摩擦熱ではありません。断熱圧縮効果による空力加熱です。
天宮一号のように(中国は認めていませんが)制御不能になっての再突入ではなく、ちゃんと地上に帰還することを考えた再突入では、この熱を如何に抑えるかが課題となります。折角帰還したのに、中のものが熱でだめになっていたなんて洒落になりません。
作中では、熱を抑えるためにスラロームで下降しましたが、これはJAXAが検討している帰還型HTVで使う小型再突入カプセルと同じ方法です。ちなみに、JAXAは以前HTVの一部をそのまま帰還させるHTV-R構想を検討していましたが、そちらは没になったようです。
そういえば、機動戦士ガンダム(TVシリーズ)ではフィルムで断熱していましたが、あれは無理がありますね。Zガンダムのバリュートシステム、ウェイブライダーシステムになっていますが、あちらの方がまだ現実味はあるかも。バリュートは1980年代前半にNASAで検討された方式ですが、飛行軌道の制御という面から考えると不利です。地球では使われないでしょうね。
火星への探査機投入では、似たシステムが使われていますが、あれは断熱ではなくクッションとして使われました。
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