飛んでいるのか落ちているのか ――人工衛星

 「人工衛星は地球の周囲を飛んでいる」あるいは「回っている」という表現は、間違いではありませんが、正確に言えば「人工衛星は落ち続けている」のです。


 例えば、地上でキャッチボールをしているところを想像してください。ある程度距離があれば、ボールは緩やかな放物線を描きます。これは、重力によってボールが墜ちるからです。空気抵抗もありますが、ここでは無視しましょう(^_^;)で、投げ手と受け手が離れれば離れるほど、ボールは山なりに高く、大きな放物線を描くようになります。もっともっと離れてみましょう。放物線はもっともっと大きくなります。

 もっともっと遠くに、スケールを地球規模で考えてみましょう。地球は丸いので、どんどん離れれば、キャッチボールの相手が地平線の向こうになります。そして、ある時点で遠くに投げたボールが地面に到達しない状態になります。そのボールは、(空気抵抗などを考えなければ))重力に引かれて飛び続けます。別の言い方をすれば、落ち続けているのです。これが人工衛星(の軌道)です。

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