私、魔女、異世界でTOP目指します!

抹千夜

第1話 私、異世界目指します!

私、こと猫神ねこがみなづな二十三歳は就職活動中に死にました。殺され方は歩いている途中に背後からザクッとそれはそれは痛かったです。痛すぎて声も出ないくらいに。

──あー、血ってこんなに冷たいんだ──

薄れていく意識の中、誰が救急車を呼ぶ声が聞こえましたが、そんなのもう遅いと自分の身体だからすぐに実感しました。

──あーあ、こんな人生なら就職活動なんかせずに今日までだらだら暮らしたかったな、いや待て就職活動なんてしなかったら死ななかったんじゃ──

こんな思考もついには止まり私は、ゆっくりと冷たい地べたの感触を味わいながら目を閉じました。





しばらくすると私は、目を覚まし、脳を覚醒させて気づきましまた。

「え?ここ何処?」

そんな私の問い掛けに対して聞こえてきたのは少女ぽい声でした。

「ここは死後の世界、天界よ」

見た目、小学六年生ぐらいの少女は背中に純白の羽を生やし、純白のワンピースを身につけ、白髪で肌白でした。

──もう、真っ白じゃねか──と思った私は、あえて声に出さずにスルーしました。だって、そんな事より気になることがあったから。

「貴方は、死んだの」

「はい、分かってます」

「なら話が早いわ」と少女は沢山のカードを持ってきてこう言いました。「この中から好きな職業を並びなさい」と。

カードの中には、[建築士][税理士][小説作家][プロスポーツ選手]などがありましたが一つだけ私の目には異様に輝いてみえるものがありました。それは[魔女]です。

「あのー魔女ってなんですか?こんな職業、日本にはありませんよ」

恐る恐る問いかける私に対して少女は答えた。

「その職業は異世界のものよ」

「はい?」

「だから、異世界って言ってんでしょ」

異世界の職業がここにあるということは異世界に行けるということ。そう確信した私は迷わず[魔女]という職業を手に取り心に決め、少女に見せた。

「私、猫神なづなは異世界で魔女になります」

「よし!よく決めたその職業なかなか売れなかったのよ」

「余り物かよ」

思わずツッコミを入れてしまったが、そんなことはどうでもいい、だって魔女なるという小さい頃の夢が今叶い、異世界に行くという中学のころのちょっとした夢も今叶う。今、私の目の前で夢が二つも叶おうとしている、胸が高鳴らない訳がない。

「さー天使さん早く私を異世界に連れってて」

「わかったわよ、じゃぁ行くわよ」

「うん!」

「それじゃー異世界に転生!」

そんな小さな天使の掛け声と同時に私の身体を光が包み込みまた、私は意識を失った。

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私、魔女、異世界でTOP目指します! 抹千夜 @Matcha0058

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