行間空けに迷う、みなさまへ


 本であれば「ページをめくる」と言う動作、時間が絶妙な間を作ることがあります。ミステリーでは、ページをめくったら一行目に犯人が! なんてことも少なくないですよね。

 一方、カクヨムではスクロールしていけばどんどん先が読めてしまうので、と言うものが取りづらい。行間空ければいいのかもしれないけれど、縦書き愛があると何となくしっくりこない、いや空けたくない! でもなぁ……と言う方が多いということを知りました。

 


 38文字×20行と42文字×18列。

 上の数字はカクヨムで一度に表示される画面(PCの場合)と、文庫本の一ページに記される文字列です。

 文字数としてはカクヨムの760字に対し、文庫本は756文字。ほぼ互角ですが、文庫本は見開きで読むことを考慮すれば、二倍の1512文字。対するカクヨムは、スクロールしながら読めば無限大?(一エピソードの文字数制限ってあるのでしょうか)

 

 分かってはいるけれど、WEB小説と書籍は似て非なるもの。ならばカクヨムなりの楽しみ方、表現方法を探してみようではありませんか!

 「迷わず行けよ。行けばわかるさ」by アントニオ猪木


 その前に気になることを少し調べてみました。

 まずラノベが書籍化されたら、当然縦書き? 行空けはどうなる? 問題について。

 ラノベはカクヨムでしか読んだことがないので、電子書籍になっているものを調べてサンプル読みしてきたところ、やはりと言うか当然のように縦書き。行空けはほとんど使われていない印象です。五作ほど見たけれど、使っていたのは一作のみでした。元々使っていないのかは未検証。

 この辺の事情は、書籍化経験者の方に聞くのが一番でしょうね。


 もう一つは、作家さんたちが行空けをどの程度使用しているのか。

 データ好きなので(笑)、早速調査開始。とは言え、手が届く範囲にあった短編集を調べたので、偏りがありますがご容赦を。

 以下、話の総ページ数、行空け回数、( )内数字は「1」「2」などの場面転換数を示します。(作家の敬称略)

 45ページで4回、54ページで5回、51ページで7回 以上、赤川次郎

 46ページで0回(8)乾くるみ

 45ページで3回(すべて二行空け)芦沢 央

 55ページで13回(5)似鳥 鶏

 53ページで4回(4)友井 羊

 57ページで14回(1)秋吉理香子

 59ページで2回(4)、99ページで5回(8)、132ページで10回(8)知念実希人

 79ページで1回(5)、83ページで0回(6)、72ページで8回(7)、90ページで0回(8)、112ページで7回(9)、78ページで1回(8)、92ページで2回(9)、79ページで0回(6) 有栖川有栖

 結論。人それぞれ、作品それぞれ。



 前置きが長くなりましたが、私の場合。

 すでにこのエピソードでも多用しているように、一行空けと二行空けの併用です。下書きの段階では詰めて書いていることが多く、推敲の段階で編集します。

 基本的な使い方としては、話の内容だったり、場面が変わるときには行空けを入れています。特に大きく変わるときには二行空け。


 変わった使い方としては、応援コメントの返信欄でも触れましたが、ドラマのカット割りをイメージしてというのも多くあります。

 例えば、二人がリビングで会話しているシーンは、各々がアップとなる度に段落を変え、カメラが引いて二人が一画面に収まるときは一行空ける。

 場面がリビングから河原へ移るシーンで二行空ける、みたいな感じです。

 書籍のようにページをめくった時の驚きを演出するために、十六行空けたこともありました。


 もう一つ、文字列をとして見たときの美しさを意識して、行空けしたこともあります。

 ドット絵とまではいきませんが、一行の文字数と行空けを組み合わせて流れのあるに見せる、というやり方です。作り手の思い程は、読み手には伝わっていないと思いますが。(^^;)


 みなさんも色々な方法にチャレンジして、カクヨムをさらに楽しみましょう。

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カクヨムの書き方 流々(るる) @ballgag

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