友人談義「最近のブームとは」
●登場人物
■俺:俺俺、OREだよー。
■友人1:無茶苦茶言う。
■友人2:落ち着いて無茶苦茶言う。
■後輩:意外に無茶苦茶言う
※上記がOREの資料部屋に週末深夜集まってダベってるのをまとめた感じです。アバウト。
「そういや何か、新しい習慣づいたものってある? 結構、家の中じゃん?」
「ええ。NHKの朝の連ドラ見るクセがつきましたね」
「どのあたりから見てるん?」
「”なつぞら”ですね。ちょっと仕事関係で近しい処もあるので、何となく」
「ああ、あれは凄かったよな。何が凄いって、ヒロインが草刈・正雄」
「ですよね。主人公の孫娘が如何に祖父の草刈・正雄をオトすか、と、そういう話ですよねアレ」
「貴様(友②)当時もそんなこと言うとったな」
「いやホント、最終回近くの怒濤のヒロイン推しが凄いんだって。御陰で最終回、完全にヒロイン回になってるし」
「そうですそうです。途中まで完全に不理解な圧強めヒロインだったのが瓦解していくのがいいんですよね。私、連ドラ通しで見るのは初めてに近かったんですけど、アレはオヤジヒロインとして最高のドラマでした。ただ――」
「ただ?」
「連ドラの作法を知らなかったんですよね、私。毎週毎週見ていて、翌月曜日になると”あれ? 一気に話が進んでる……”と思っていたら、当時は土曜も放送していて」
「あ、そうか。”エール”まで、土曜もやっとったよな」
「あー、確かに当時、週休二日じゃなかった」
「ええ。だから金曜にその週のテーマとなる問題みたいなのが一気にアガってきて、次で解決! となると思ったら月曜には皆ケロっとして生活してるんですよ。”何!? コイツらおかしい……!?”と思ってんですけど、まさか週休一日ドラマとは」
「早う気付けや」
「いやあ、だから序盤のヒロインエピソードをちょっと逃してるんですよね、私」
「他、何か印象的だったタイトルありますか、最近で」
「”エール”と”まんぷく”は結構好き度が高かった。どっちも歴史や雑学的なポイントが多かったからだと思う」
「”まんぷく”は主人公夫妻が、萬平と福子やけど、コレ、名前が逆やのうて良かったわな」
「NHKがそれやったら、冒険度でかなり熱いタイトルになりましたよね」
「お前(後輩)の方は、最近何かあった?」
「ええ。シドニアの騎士の映画版見る前に、予習としてそこの本棚の漫画を借りて読んでいたんですが」
「お前、ネタバレ恐れないタイプだなあ……」
「いや、それが、ほら、最後の戦闘と、そこからの脱出ですよ、アレ」
「あー、アレ。俺らが前に話してたアレやな」
「何です?」
「アンタ読んでないだろうから概略で話すと、超高熱圏でのラスボス戦があって、主人公が戦闘後に離脱しようとするんだけど間に合わなくなるんだよ。そこでヒロインが飛び込んで来て救ってくれるんだけど、ヒロインは焼失する、と、そんな展開」
「いい話じゃないですか」
「それがまあ、その前がな」
「…………」
「まさか」
「……主人公が、ラスボスにとどめ刺す前に、ラスボスの演説聞いちゃうんですよ」
「あそこ”うるせー馬鹿死ね”でええよな」
「まあ死ぬ覚悟だった、って言えばそうなんだけど、結果としては何か言う前に射撃して、後で皆で”人間は不理解だ……”でもいい気もする」
「ですよね。それで超高熱圏からの脱出が間に合わない、みたいな感じになって、ヒロインが救けにくるんですけど、私、その当時、ヒロイン推しになっていまして。
”あー! つむぎちゃんが焦げちゃう――ッ!”って感じで」
「ラスボスの話聞いてなけりゃ、主人公の機体がもっと上昇出来てたろうからなあ……」
「結論として?」
「いやあ……、私、生まれて初めて漫画の主人公に対して”●すぞ”って思いましたね……」
「そんなに」
「つむぎちゃんガチ勢が過ぎるわ」
「創作物としては大成功じゃないだろうか……」
「先輩達の方は、何かありました?」
「ここのPS4でデトロイト・ビカム・ヒューマンやったわな」
「あー、アレな。ここでコイツ(友①)がやってるの横で見てたけど」
「あ、AIが自己の意思に目覚める、とかいうネタで知られたアレですね」
「そうそう。そういう感じ感じ」
「どういう流れなんですか」
「うん。主人公、三人というか、三体いてさ。――で、俺が見てる限り、最初の覚醒は暴力を受けることによるものだった」
「ああ、まあ、普遍的な要素ではありますね」
「そやな。俺のプレイしてる限り、次の覚醒も暴力を受けたせいやったな」
「…………」
「ちょっと」
「ちなみに三人目も暴力食らって覚醒するよ」
「…………」
「暴力以外で覚醒しないんですか」
「いやまあ一応、それ以外もいるんやけど、超レアケース?」
「一応、御強めの覚醒したヤツは、触れただけで他の連中覚醒出来て、これを俺らは”お触り覚醒”と呼んでる」
「誤タッチありそうで結構面倒ですねソレ」
「でもまあ、デトロイト・ビカム・ヒューマンの大先輩であるロボコップも、暴力の中で記憶取り戻したから、そういうもんなんと違う?」
「何ですかその暴力に暴力で返すようなたとえは」
「つーか、あそこまで暴力覚醒多いと、あれ実は覚醒してるんじゃなくて、家電を斜めから叩くのと同じで、何か一定の角度から衝撃受けたらバグる作りになってるだけじゃないかな……」
「テレビで回収CM出るタイプのアレやな」
「嫌な覚醒ですね……」
「そういう、自我に目覚めるので、他のバリエーションって、どういうのがありますかね」
「手塚治虫だったら絶対にAIが劣情で覚醒しますね」
「…………」
「嫌な即答で切って返されたんですけど私」
「いや、偏見があるようやけど、うん、手塚治虫だったら絶対にAIが劣情で覚醒する」
「そしてほどよく暴走して”わ、私は……!”とか前進守備になったところで、主人公による謎銃の攻撃によりバラバラになる」
「今、すごくその絵が浮かびました私」
「母性でも覚醒するけど、その場合、人間化じゃなくて神化したり、覚醒してることに気付かれてない気がする」
「手塚治虫って……」
「そこに全集あるから読んでおくといいぞ」
「しかしまあ、デトロイトやっていたりして思うけど、PS3あたりから、急激に3Dのアドベンチャーがしっかりした出来になってきたわな」
「FPSなんかは、まだちょっと引っ張りましたけどね」
「どういうことなんです?」
「昔のPC、WINDOWS95とか98の頃な。海外のゲームが、自由度やたら高くて俺ら遊びまくっていたりしたんだわ。今でもあるだろ。デウスエクスとか、あのあたりの第一作目とか出た時期」
「あのイチロー激似の男が主人公のシリーズですね。その頃からなんですか」
「自由度高くてなー」
「それでいてビミョーに甘いんですよね」
「例えば?」
「ああ、成長出来るオーグメントで、速度を上げるものがあるんだけど、これがホントに単純に速度を倍アップさせるだけなもんで、よく考えると変なことがたくさん起きる」
「そうなんですか?」
「ええ。しゃがみ移動にまで適用されるから、3段階目あたりで、オーグメント無使用の立ちダッシュよりしゃがみ移動の方が速くなりますよね」
「しゃがんでるときの姿勢や人体構造無視して”速度”が上がってるタイプのアレやな」
「ちょっと8BITゲームのパワーアップ感ありますね。単純に倍になるというか」
「そう。しかもしゃがみ移動は音を立てない仕様だから、つまり脚力を上げると立ちダッシュより速いステルス移動が出来ることになる」
「更に、しゃがみ移動中もジャンプ出来るんですが、ジャンプ飛距離が速度から計算されているので、つまり鍛えると通常の立ちダッシュジャンプよりもしゃがみ移動ジャンプの方が飛距離出るようになります」
「あれのおかげで、後半ずっとしゃがんだままだよね、ゲーム画面」
「雑……」
「雑じゃない。仕様だ」
「ちなみにこのオーグメント、後退移動にもそのまま適用されるんですが、後退は前進に比べて速度がチョイ落ちるだけの仕様なので、やはりレベル上げると新幹線みたいな勢いで後退出来るようになります」
「それって、さっきのと組み合わせると……」
「うん。しゃがみ移動の後退にも適用されるから、つまりしゃがみ移動最強」
「今のゲームだと単純に倍々とはなりませんし、しゃがみの場合でも速くなれば音が発されたりしていくと思うんですが、昔はフリーダムですよね」
「おかげで人体強化の魅力みたいなのはガンガン伝わってくるんだよなー、アレ」
「でもそれが自由度として、どのくらい関わってくるんです?」
「デウスエクスだと、あれだよな。代表的なのは拠点襲撃」
「解ります解ります」
「?」
「中盤始まりあたりで、敵ビルに襲撃掛けることになるんだけど、レベルデザインとしてはとりあえず”下から攻めるのは確定”みたいな作りなんだわ」
「でもさっきのオーグメントを強化してると、外壁とか無理矢理昇って、屋上からも攻略出来てしまえるんですね」
「一応、ユニークプレイとして想定されてるんだと思う。
でまあ、このゲーム、ステルス系要素が高いんで、敵を始末したら遺体を移動させることが出来るんだわ」
「あ、それは今のゲームにもありますね」
「うん。それでこのゲーム、手にしてるモノを投げるとき、今見てる視線の角度に向けて投げるんだわ」
「まさか」
「ええ。普通だったら遺体を何処かに隠すんですが、この場合はビル中央の吹き抜けに向かってロングスロー。移動から投げると飛距離が伸びる気がします」
「敵は仲間の遺体が視界に入ると警戒状態になるから、遺体の落下に応じて一気に全部の階が”ワー! ワー!! ワー!!!”って段階的に大騒ぎになるの、アレすごくゲーム的にリアルだよね。アルゴリズムが正しい感」
「変な処で”あ、よく出来てる……”って感心する瞬間ですよね」
「何の会話やコレ」
「それで迎撃されるんです?」
「いや、これがまたよく出来てて、敵は、屋上にいるこっちが視界に入らないから、見つけられないんだわ。でもワーワー騒ぐ中、パトロールで屋上上がって来る連中がいるから、一本しかない通路に地雷仕掛けて、後は遺体をガンガンロングスローしながら下に手榴弾とかガスタンクとかも投げ込んで下の階の連中を始末する」
「ガスタンク、使えますよね」
「そうなんです?」
「うん。敵は、”物品の位置”を警戒しないんだよ。物体が移動していても警戒しない。それで自分は、しゃがむと小型ガスタンクの後ろに隠れることが出来る。――解る?」
「えーと」
「つまり狭所、部屋などに控えてる敵に対し、ガスタンクをしゃがみ走りで部屋の入り口に押し込んでいって、一気に離脱しながらショットでタンク爆発。ちょっとした必勝手段です」
「……明らかに作った側は想定してないですよね、ソレ」
「全体的に、ハチャメチャな移動強化が、想定外のプレイを生んでた憶えがありますね」
「それを思いついたら出来る、っていうラフさが凄いんだよ、初代デウスエクス。ホントに遊び場所と仕掛けが置いてある感じ」
「他にも香港ステージで、超高層ビルの外壁無理矢理昇って、屋上から空見上げつつ飛び降りプレイとか、ゲームじゃなければ絶対出来ない体験ありましたね」
「滞空時間が十秒くらいあって、”あ、マジに落ちてる……!”って感じるよね、アレ」
「そういうの好きだったんですけど、今ちょっとそこらへん封じられてますよね」
「飛び降りれなかったり、落ちたらゲームオーバーに移行とかね。昔のよく解らんレベルの自由度は、アレやっぱ凄かったなあ……」
「今のも結構自由度あると思いますけど、やはり昔の方が上ですか」
「そやな。昔のゲームだと、自由度高いもんだから、登場人物全員始末出来たりとか、ホント普通にあったんやで?」
「……え? それ、大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫や。前にも言った通り、ストーリーが断片的だったりしてよく解らんから、とりあえず出て来たヤツ始末して、ストーリーが進行しなくなったら”あ! コイツ! 重要人物なんや!”ってロードすればええだけ」
「駄目ですよソレは……!」
「今どういう理由で”大丈夫”って言ったんですか貴方」
「いやホント、結構そう言うの多かったんだよな。オブリやスカイリムとか、そこらへんビミョーに受け継がれてるよね」
「いやあ、また自由度とか何とかいうから、サソリベイダーみたいなのが出てくるかと思ったら……」
「アレはフリーダムの自由の他に、アバウトな意味での自由も含まれとるからな?」
まあそういうもんだよね。
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