川上稔デビュー25周年記念特別コラム
川上稔の作り方「どんなもんでしょうか?」
始まりとして
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「そんな訳で川上稔デビュー25周年なんだけど、コラムを書くということになった訳よ」
「――で? 何で私達なんですかね……?」
「いや、どう考えても痛い自分語りの傾向が強めになりそうだったから、客観性出したい? みたいな? なのでいろいろ担当さんと話したこととかベースにインタビューというか対談系で」
「アー、いろいろ過去の話やっても、今の人達には基本、無関係というか”知らねーよ”の世界ですからねー……」
「何事も、重要だと思ってるのは本人だけってものよ。
とはいえ25周年、これだけやってるといろいろあったし、いろいろ積んでも来たものね。
そういう話をしてみたり、やっぱりコレってデカめの宣伝でもあるのだから、うちらの特徴とか、そこらへんも”川上稔のやってきた方法論”とかと絡めて、改めて見てみる感じね。
創作論じゃなくて、マーこんなことやってましたよ、っていうログみたいなものとして、”いろいろ手はあるんだな”と思って貰えれば幸いね。
一番大事なのは”これが正解”はない、ということだと思ってるから。何でもありで、ぶっ壊して自分なりのものを建てて行きましょう」
「あとまあ、各シリーズとかの紹介とか、そこらもあるといいですねー」
「担当意見が来たわ……。でもそういうのも含みでいろいろよね」
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「じゃあちょっと、いきなりこっちから質問で何だけど、25周年って、どういうこと?」
「……え? ソレ、そっちの話じゃないんです、か?」
「いやまあ、こっちは適当に日々やっていたら25年経ってしまったな感なんだけど、つまり継続は力なり、という話でいいのかしら」
「…………」
「……もうちょっと、いい話感があると、いいんじゃないでしょうか」
「そうなの? MURIを望んでない?」
「どういう応対ですかねソレ……。というか、実はこちら電撃の最古株ということになるので、25周年っていうのをやるのも、電撃では初なんですよ」
「アー……、それでいろいろとドタバタと……」
「ネガティブなことは祝いの席なので言わない……!!」
「というか、最古株だけど、実は高畑のオッサンとか、古橋さんとか上にいるのよね。それでまあ最古株ってことになってるのは、
・現役
・基本的に電撃レーベルのみ
っていう、そこらへんが強いかな、とは思ってるのね」
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「コレ、自覚あるんだけど、ちょっとした実験というか、前例ではあると思ってるの」
「何がです?」
「結構前から、出版業界とかいろいろあって、ホラ、作家も”生き延びていくための方法”を模索するような、それが普通の状態になってるじゃない?
そういう方法って、どういうのがあるかしら?」
「ええと、たとえばですけど、ポジティブな戦略として、
・外部の編集スタジオに所属する
・作家同士の互助スタジオに所属する
・幾つもの出版社で仕事する
とか、そのあたりですかね。つまり仕事を得られる機会を多くする、と、そういうことです」
「そうそう。投稿サイトに作品出すのも、多くの出版社に見て貰える機会の創出、と、そう捉える事も出来るわね」
「攻め気でどんどん行こう、っていうのは、良いやり方だと思います」
「そうね。でも、うちはそういうの、やってないの。
基本、電撃編集部とだけ付き合って、他の作家さん達のグループとかも無関係。
一匹狼的な処があるのね」
「……友人、いないんですか……」
「アンタ今度の同人誌で憶えておきなさい……。
で、いや、そういうことじゃなくて。
これはさっき言った通り、ちょっと自覚してやってることなんだけど、”ではそういう環境で、何処まで出来るんだろう”って思ってるのね、自分は」
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「ほら、あるでしょ? 何というか、出版界絶望論とか、どういうやり方が賢いとか、こうしないと生きていけないとか、そういう賢いの見ると逆張りしたくなるタチってのもあるんだけど、結局、自分の納得が出来るならそこは地獄じゃなくなるとは思っていてね。だから、
・小説においては、電撃編集部とだけ付き合う
・作家同士の互助に関わらない
って、そんな風に自覚つけてやっていたりする訳」
「ええと、何でです? 実際コレ、つまり他に方法がいろいろあるのだとしたら、不利とも言えますよね。RPGで言うと、初期装備というか”はじまりの町”みたいな環境で」
「でもその環境で作家人生全う出来たら、この”誰もが一番始めに得られる環境”で”最後までいける”って証明になるじゃない。
これは、あらゆる作家において、人生一回しか出来ないアタックで、条件を破った時点でゲームセット。
レーベルが無くなる可能性だってあるし、もしも自分がこの条件を続けられなくなったら、その理由は自分みたいな人にとって”生き延びるために気を付けた方がいい箇所”であるとも思うの。
だけど、マー現状、少なくともデビューそのままの環境で25年は適当にやっていけるわね、っていうのが、実はこの25周年の意味じゃないかな、って思うのね。」
「ウワー……、面倒臭い人……」
「生き延びていくために”こうしなければならない”は無い、って、それがいつか言える時が来ると良いわね。まだ25年、道は途中だわ」
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「マー、そんな感じで、”はじまりの町”在住でラスボスを狙いに行く25年な訳だけど、そういう賢くない作家のノウハウとか、何をどうやって来たのかをコラムで書いていく感ね。
モブキャラスタートでもそのまま生きていける25年、って感じかしら?」
「周りが化け物揃いでしたからねえ……」
「ともあれ25周年、コラムをスタートするわ。――ついてきて貰えると幸いね」
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