『激突のヘクセンナハト』多段階変形する全長500メートル超の魔法杖

「今回の話は、ええ、タイトルでもう何言ってんだお前、って感じですが、超弩級魔法少女モノであるヘクセンの、武装関係についてです。大は小を兼ねるというか、それによってどんな派手な戦闘が作れるか、視界を開く感じで行きましょうか。ええ。そんな話ですね」


「――という訳で、ヘクセンのドデカ武装についてです」


「マギノデバイスは500メートル級だけど、武蔵の全長8キロに比べたら随分と小さいわよねえ」


「相対的な話じゃなくて絶対的な話ですって」


「というか、基本は5メートル級のノーマルデバイスよね。

 こんな感じの使い訳になるの」



◇通常時

 ■私服、制服

 ■術式などは無手で使用出来るレベルのもの


◇一段階変身:ノーマルフレーム

 ■ノーマルフォーム

  :魔女服のこと

 ■ノーマルデバイス

  :魔法杖のこと

  :全長5メートルほど


◇二段階変身:マギノフレーム

 :使役体との合一が必要

 ■マギノフォーム

  :ノーマルフォームのバージョンアップ版

 ■マギノデバイス

  :魔法杖のこと ノーマルデバイスとは別で召喚

  :全長500メートルほど

  :巡航攻撃モードと砲撃モードに変形する


◇三段階変身:ジオフレーム

 ■ジオフォーム

  :マギノフォームのバージョンアップ版

 ■ジオデバイス

  :人型魔法杖 マギノデバイスを核とする

  :全高3キロほど



「…………」


「……ジオフレームが全高3キロでも、武蔵は全長8キロだから、まだまだ小さいわよね」


「いやいやいやいやいや。相対じゃなくて絶対で!」


「まあそんな感じね。あ。マギノフレームの処で言ってる”使役体”って、こういうの」




「魔女の使い魔、つまりファミリアみたいなもので、魔女がマギノフレームを作るとき、魔女の力を強化、そして魔女が本来持ってない個性を構築に加えるため、フレームと合一するのね。つまり生きたブースター」


「元に戻せるのかな……、って思いますけど、フツーに戻ってますね」


「そこらへんが、つまりは”魔女とは別の個性”であり”使い魔として従えている”ってことよね」


「というか、何でこんなデカいのを?」


「いや、元々は小さかったのよ。以前に話したでしょ? 元は”激突のオリンピア”ってゲームの企画で、世界中の魔女が集まって行われるバトル大会だったって。

 競技場で戦うつもりだったから、武装はこんなアイデアだったの」



・通常装備 :魔女変身前のもの。現実的な杖や刀、槍など。

・マギノ装備:魔女変身後のもの。通常のものが強化されている。

・マギノ召喚:必殺技時のもの。通常のものを依代に5mほどの強化武器が展開。



「意外にフツーですね!」


「でしょ? でもヘクセンナハトの場合、物語の目的が”月にいる黒の魔女を討つ”よね? だから地球上でガシャガシャやってる段階で、”月に攻撃が届く実力の可視化”が必要だと思ったのよ」


「アー、それであんな巨大に……」


「ちなみに、企画段階ではマギノフレームが小型ジオフレームだったの」


「What?」


「いやもうその通り。全高50mくらいの小型ジオフレーム。こんな感じ」




「ウワー、ホントに無茶苦茶好き勝手書いてますね!」


「いや企画段階だからアイデア出すわそりゃ」


「でも何でこの形をやめて、今の形式にしたんです?」


「ぶっちゃけジオフレームの”驚き”が薄れるわよね、って。そしてまた、ジオフレームを出したとき、”マギノフレームのデカい版か”って感じで少しテンションダウンしてしまうと思ったから」


「アー……」


「それを避けるには、もう第一話目からジオフレーム出すくらいじゃないと駄目なんだけど、だとすると今度は中間のマギノフレームの意味が薄れるじゃない?」


「あ、そうですね。出来る事と機能が基本的に近いから、マギノフレームがホントにジオフレームへの”繋ぎ”でしかなくなるんですね」


「そうそう。だから考え直して、マギノフレームの方は500mっていう巨大化した巡航魔法杖になってる訳。

 そうすると、以下のような機能分担が出るでしょ?」



・ノーマル  :他魔女との格闘戦用

・マギノ   :他魔女との砲撃戦用 対月用

・ジオフレーム:対”黒の魔女”格闘戦用



「巨大さ加減でもインパクトつけられるから、コレでいいかな、って。そんな感じ」


「でも企画考えてる時点では、ジオフレームじゃなくてマギノフレームのアドバンスフォームだったんですね」


「そうね。マギノが人型じゃなくなった時点で、人型は最終形態だけになったから、じゃあ”人型”になんて名前を与えよう、って話になったわけ。

 そこで魔術って考えると、元々は土着の宗教ベースが多いでしょ? だったら”魔術”ではあるけど、女神もいた筈よね、ってことで、大地母神系の土着女神由来でジオフレームってことにしたの」


「設定が変化して、それに対して名称も変わった訳ですね」


「そうそう。あとまあ、マギノの人型をやめたのって、作画的なものもあるのよね」


「どういう?」


「人型メカって、背景がないと、巨大かどうかが解りにくいの」


「ほら、ちょっとイメージすれば解るけど、人型メカの、15メートルくらいなのと、100メートルくらいのがいるとするじゃない? コレ、プラモとかだと1/144と1/100でディテールが変わるけど、絵だと、顔アップの時、どっちが大きいか解らないようになるのよね」


「アー……」


「だから対比物が必要になるんだけど、大型になると背景は空が多くなるでしょ? だとするとホント、巨大かどうかを見せるための演出が画面に必要になって、手間なの。

 マギノとジオにおける”差”を出すのは大変そうだな、って、そういうのもあったわね」


「いろいろ考えますね……」


「まあそんな感じで、色々な思考実験とかしながらネタを作ったり捨てたりして、今の巨大魔法杖というデザインが出来上がってるのね。

 思いつきで走らない。そんな感じで、意外に堅実に作られてる雑さ……、って言うべきかしら」


「最終的にはその解釈なんですね……!」

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