『パンツァーポリス1935』変形進化する飛行戦闘艦による、空中近接戦
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「今回の話は、パンツァーポリス1935の特徴である航空機による”空中接近戦”や、主人公達の艦が変形進化するというアイデア。派手な空中戦のアレ、という感じで、その発案や表現についての話です」
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「えーと、35の紹介というか、当時の売り文句的なアレですが」
・主人公達は宇宙を目指す
・変形進化する飛行戦闘艦
・切り結ぶ空中近接戦
「――って、いきなりですけど35、どういう話なんです?」
「話は簡単よ? うちの世界観上におけるWW2前の独逸で、開発されていた航空戦艦を奪取して宇宙に行こうって話」
「ロケットか何かですか?」
「馬鹿ね。魔術とかいろいろ活きてる世界だから、武蔵とかと一緒で空飛ぶ船よ。使用するのは主に重力制御。戦闘による経験で艦体が成長進化して、三段目で大気圏突破能力を持つ。そういう設定」
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「ちょっと面白いのは、奪取する側が、この艦を”宇宙に行かせるために進化による多段変形システムを組み込んだ”開発者ども、ってことね。艦が進化して宇宙にいくのは、結果論じゃなくて、先にそれを仕込んだ開発者の思惑なの」
「ええと? じゃあ、奪取って言いますけど、その艦はどういうものなんです?」
「独逸軍の戦闘艦。マー奪うことによって独逸軍と悶着あって、派手にやり合うんだけど、それがまあ、この話のアクション部分のメインね。高速の戦闘で、追尾弾や光剣で遠距離戦やすれ違いざまの抜刀術とか、そういうのをぶち込む訳」
「ええと、……光剣?」
「そう。術式弾を発射する機構を利用して、光の剣を振り回す訳。これがまあ、敵弾も叩き切るし、敵機や障害物も割るから、絵になるメイン武装でねえ」
「武蔵なんかもやってましたけど、アレはここで既に……?」
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「術式で動く戦闘艦、というのを考えたとき、まあRPGで魔術師系が出来ることは出来なきゃね、って話でね。
既に自分の考えてた世界観では武神がバッテリー式の光剣とか防御装置を振り回していたし、ゲームの企画として考えていたものでは、当然そういうボンバーやサブシステムがあったの。
そういう意味では、発想は自分の世界観基礎のSTGなのよね。でもまあ……」
「でも?」
「アレは確か、TGSか何かの帰りだったと思うのよね。次の電撃の小説大賞に出すネタをどうしようか、と思っていたとき、こう発想したの。
――自分の中にある縦STGのアイデアをストーリー化したらどうだろう、って」
「セルフノベライズ、みたいな?」
「そんな感じ。これまで、アイデアノートとかに小説とかいろいろ企画を溜めてたんだけど、それらは大別して”小説(ストーリー)・ゲーム・TRPG”みたいな分類をされていたのね。でもそのとき、不意に、その分類を越えていいんじゃないか、って”来た”の」
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「アー……、何となく解りました」
「何が?」
「大概のSTGって、宇宙出ますよね」
「そうそうそう。だからそれを目的として、今作ってる世界観上でそれをやるとしたらどうするか……、ってのを、同行していた友人にいきなり話し始めてね」
「連射王の時も似たことしてませんでした?」
「してたけど、こっちはまた別の友人ね。ともあれそのときに考えたのが、こんなアイデア」
・STGのパワーアップ概念は、ゲームとしては解りやすいけど、小説としては解りにくい。
→じゃあ、うちの世界観には生体兵器やそれを転用した自己成長型の武装や兵器があるから、これも成長進化する航空戦艦としよう。
・被弾即ゲームオーバーだと小説として描写の幅がない。
→防御手段を持ちたい。
→じゃあ武神とかも使ってる光剣で
「――と、ここまで思いついた処で、いける、って考えたのね」
「いける、という許可が出るまでが、速いですね!」
「そうね。ワンショットなアイデアだったら”待て、落ち着け”だったんだけど、成長進化のパワーアップと、空中戦に近接戦を持ち込む、という二つのアイデアが、まあ、当時のラノベでは見たことが無かったのよね。
あと、宇宙に行くという普遍的なものを加えたら、多重アイデアになっているから、他と被る可能性は低くて、斬新でもあろうと、そんな感じ」
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「しかしゲームの影響とか、あったんです?」
「よく言われるんだけど、レイディアントシルバーガン(使用出来る武器の一つに敵弾を消せる近接剣がある)は98年で、35は96年だから、コレ無関係なのね。
ソードを振り回すのだとしたら、サイバトラー(93年)もあるけど、イメージはコレのソードじゃないのよね。もっと一撃必殺感で」
「どういうイメージなんです?」
「どっちかって言うと、サイドビューのソードアクション。ストライダー飛龍のサイファーとか、侍スピリッツの大斬り系」
「アー、じゃあ、自機の成長進化も……」
「本来の発想が”パワーアップの概念を解りやすくしたもの”だから、元になった進化形STGはないのよね。ダーウィン4078とか好きだけど、三段階、として考えるとデンジャラスシードなんかの方がイメージとしては近いのかしら」
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「まあこんな感じで、35の紹介ね。好きなものが詰まってるし、世界観的にもスチームパンクのイメージで読めるから、根本部分のテンションを充分に楽しめるわよね」
「思ったよりも変な流れで出来た話ですねー……」
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