『境界線上のホライゾン』日本史と世界史の融合した世界
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「今回の話は、ホライゾン世界の特徴である”日本史と世界史の融合した世界”がどのようにして発案され、形になっていったのか、ですね。思った以上に変化球な流れを見せる、そんな話ですね」
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「えーと、いきなりですが、私達の所属するホライゾンの世界観の話です」
「ぶっちゃけ”日本史と世界史の融合”って聞いても、あんま大したことない気がするわよね。だって中学校で日本史も世界史も習う訳だし。融合言われても”年代重ねればいいだけでは?”で終わるし、ついでに言うと”何か難しそう……”って感じ、無い?」
「ハイ! そういう時は本文の御仕事です! 実はこの”融合”、ちょっと変わった方法で行われているんですね!」
「……通販番組みたいになって来たわね。でもどういうこと?」
「ハイ! 私達のいる世界、ちょっとある理由によってこんな風になっているんです」
・遠い未来、滅亡し掛かった人類が、日本に集まり、立て直しのために、過去の歴史を再現し始めた。
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「どういうこと?」
「つまり究極の歴史と政治の管理法です。滅亡し掛かってゼロスタートに近くなったため、各国勢力が”歴史”をやり直していけば、かつての人類の繁栄を辿れると、人類史を共通ルールにしたんです。
途中で起きる戦争などは政治的”解釈”が可能として、先読み可能な歴史を辿る事で、安全に人類の繁栄を再現する。
これを”歴史再現”と読んで、進行しています」
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「じゃあ、日本を舞台に、各国の歴史が進んでいるのね。でも何で、それが日本史と世界史の融合になるの?」
「ええ、進行にチョイとミスがあって、日本は世界各国に暫定的な支配をされることになってしまったんですね。だから日本の上で、日本各地の勢力が起こす日本史と、上から支配する世界各国の世界史が同時進行することになったんです」
・日本の上に、戦国時代の勢力と、百年戦争の世界各国勢力が同居している。
・日本側勢力は、しかし世界各国側に支配されている。
「こんな感じです。――ではこの状態で、政治ゲームでもある”歴史再現”を行っている各国は、どうするでしょうか?」
「そりゃまあ……、支配した日本側を、徹底的に利用するわよね」
「そういうことです。”歴史再現”のルールに基づき、こうなります」
・支配側の世界各国は、自分達の歴史を有利に進めるため、日本側の人材や歴史を利用する。
「”日本史と世界史の融合”。でもそれは戦国モノや世界史モノみたいなジャンルではなく、そういった歴史の出来事や人材を政治のカードとして使いまくる、そういった仕掛けなんですね」
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「その”歴史再現”は、たとえばどんな感じ?」
「そうですね。たとえば中東の大勢力であるオスマントルコは、織田家を支配しています。ゆえに周辺各国に対し、”織田家の歴史だから”と、オスマントルコが侵攻してない時代や地域であっても、織田家の歴史再現で侵攻してしまえるんです」
「……一部地域がやたら有利ね。欧州側、たまったもんじゃないんじゃない?」
「いえいえ、欧州側もいろいろ考えていまして。
たとえば独逸は、日本史側の地域としては羽柴支配地域なので、オスマントルコの織田家から羽柴を自分達の勢力に組み込み、逆に欧州側に攻め込むようにしています。
対する仏蘭西は、支配している毛利が羽柴に屈する歴史を持っているため、仏蘭西側の勢力を高め、対抗するという……、そんな駆け引きが生まれていますね」
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「世界レベルではそういう駆け引きとして、では、私達のレベルでは、どんな感じよ?」
「ええ、世界がそんな感じなので、各地には歴史的人物を”襲名”した襲名者がいます。彼らと非襲名者の関係もですが、”死を強制される歴史再現をもった襲名者”をどうするか、とか、そういう部分でのドラマがある訳ですね」
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「――でまあ、実はもう一つの”史”が重なってるの、気付きます?」
「? 日本史と世界史以外に、何かあるの?」
「ええ。それはもう、私達の”術式”やナルゼ達”異族”、そして地脈や流体、そういった”異質”が存在してきたという歴史が、ここには重なっているんです」
「ああ、つまり、日本史や世界史があっても、それは”お堅い現実”で済まされないという訳ね」
「ええ。侍や騎士が音速を超えて、巨大な人型機械である”武神”が抜剣し、魔女達が空を飛び、更には数キロある航空艦が地殻吹っ飛ばすような砲撃をする。――そういうものが存在している”異史”とでもいうものがここに重なって、教科書的な行儀のよさを否定してるんです」
「そして私達の生活とかは、どっちかって言うとその”異史”ベースで、つまり基本は何でもありのメカ系ファンタジーに、日本史や世界史の事件が振っ掛かって来る訳ね」
「そういうことです。”日本史と世界史の融合”と聞くと何か難しそうですけど、ベースとなる部分は解りやすく。それがこのホライゾン世界ですね」
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