企画書の話・前編
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「今回の話は、小説を書く場合、担当さんに対して提出する企画書には、こういう要件が書いてあった方が解りやすいんでは? と、そんな話ですね」
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「そういう訳で、マー企画書の話ね」
「いやあ、世界観ブッチですね。――でも、企画書って、何です?」
「ええ。作家が本を書くのをスタートするとき、大体まずは担当編集にこういう話を書きたいってプレゼンするの。その際に資料として提出するのが企画書ね。それで担当のOKがもらえると、出版予定が組まれて、執筆スタートとなるのね」
「ええと、じゃあ、その企画書って、大事じゃないですか……」
「昔は企画書すっとばしていきなり完成原稿渡す作家もいたみたいだけどね……。今もまあ、作家側には”あらすじがあれば充分ですから”っていうのがよくあるんだけど、でもまあ、企画が通る、通らないってのは結構な問題よね」
「まあ、確かに……」
「それが不思議なことに、一部の作家は、あらすじとかで済ませない、ある程度の規格をもった”企画書”が作れていて、企画通しやすい傾向があるって話、ちょっと面白いと思わない?」
「…………」
「……どういうことです? そういう業種の出身作家さん達がいたとか?」
「いや、そのベースになってるのが、結構昔にSNSで作者(川上稔)が提示した企画書の要項だったりするのよね……」
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「元々がゲーム会社での兼業だったから、そっちの方で企画書というのが必須だった訳。
それは単なるアイデアメモじゃなくて、
・タイトル
・フォーマット
・ターゲット
・テーマ
・コンセプト
・ストーリー
などの項目があって、それを上から埋めていくと完成。大体A4の40×40行、一枚か二枚で収まる、という作りだったの」
「あー……、異業種の技術……」
「うちはこういうのもあって、いろいろな企画を通してきてるんだけど、90年代からフォーマットの決まった企画書を提出してた、というのは作家側としては珍しいことだと思うわ。
それは何か口伝とかで広まって、曾孫広がりくらいしてるんだけどね。とはいえ知らない人も多いし、たまに聞かれることもあるから、参考になるかしらって感じで、ちょっと今的なものをまとめてみようと思うわね」
――続きの後編は、今後の更新で追加されます。御期待下さい。
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