友人談義「夏休みの課題とは」
●登場人物
■俺:俺俺、OREだよー。
■友人1:無茶苦茶言う。
■友人2:落ち着いて無茶苦茶言う。
■後輩:意外に無茶苦茶言う
※上記がOREの資料部屋に週末深夜集まってダベってるのをまとめた感じです。アバウト。
▼
※今日はゴーゴーファイブ観ながらダベってます
「そういや夏休みの自由研究って、何やったん?」
「確か工作で、毎年、釘とか使ってパチンコ台作ってました」
「何かいきなり昭和感出たなー。どっちかって言うとスマートボールだよな」
「スマートボール?」
「大きめの球を使ってピンボール式に単発打ちするパチンコみたいなヤツ」
「祭の屋台でくじ引きとかと一緒に並んでるアレや」
「あー、何となく解りました。ハイハイ」
「それでまあ、私のいた小学校、確か化学室みたいなのがあって、夏休み明けから二日間くらい、そこに工作物が展示されるんですよ」
「派手でいいなあ……。触ったり出来る訳?」
「基本、駄目ですけど、まあそういうのがあれば遊びますよね」
「それで、どうしたんですか」
「ウケがいいんで、年々作りが派手になっていきまして、小六のときは”これがラストだ”という訳の解らない使命感によってコンパネ一枚分の大作を作りました」
「親、困ったろ、それ」
「いや、賞を貰った回もあったので、親は大体理解していたんじゃないでしょうかね、アレ。夏休みの何日か、外で板に釘打たせておけば学校から褒められるので」
「逆に御近所の人が心配だろうな。”あそこの家の子、延々と大きな板に釘を打ち込んでるけど何? 未開民族の呪い?”みたいな」
「夜中とかにやってると”何か降りてきた御家庭”の感じありますよね」
「ただまあ、一番の問題は、ボールを打ち出すパチンコ部分の強度とコンパクト化なんですよ、アレ」
「どういうことやねん」
「ああいう台モノって、傾けた場合、底部と床面のクリアランスがほとんど無いじゃないですか。だけどパチンコ部分は、基本、”引いて離して打つ”なので、台が大きくなったら球を強く飛ばさないといけない一方で、引く距離はあまり持てないんですね」
「よく気付いたなあ、それ」
「いえ、釘打ちに飽きたのと釘が足りなくなったので、安易な刺激が欲しくなってパチンコ部分を作っていて気付きました」
「解決出来たんか?」
「うちに一台、不要な自転車があったので、始めはタイヤのチューブを使いましたね」
「あれ、意外に伸びるだろ」
「はい。だから短くしていったら、今度は端を固定出来なくなってしまいまして。左右の長さがちょっとでも違うと張力合わないから、却下しましたね」
「御近所から見たら、板に釘打ってた変なガキが自転車のチューブ刻み始めた訳やな」
「何かやろうとしてるのは解りますけど関わりたくないアレですよね」
「それでどうなったんです?」
「結局、自転車のスタンドあるじゃないですか、あれのバネを分解して取り付けました。裏面から固定するので、そこだけちょっと父親にドリルで穴開けて貰いましたね」
「何か大がかりになるヤツあるよね、子供の工作とかって、アレか」
「学校に運ぶのが大変でしたね。何しろ自分の背より高いし、裏面にフック部分を作って無かったので、ランドセル前にして、背中に乗せて亀みたいに持って行きました。
しばらくの間、仇名が”シュウ”になってましたけど」
「シュウ?」
「聖帝十字陵」
「???」
「北斗の拳な?」
「あ、通じないんですね、聖帝十字陵」
「あ、いえ、北斗の拳は知ってるんですが」
「いやそれ知っとらんぞ」
「うん、聖帝十字陵知らないんだったら知ってない」
「何かおかしな人達がいますよ……!」
「まあ大体言いたいこと解りますけど、確か映画版が新しくやってましたよね、それなりに昔になりますが」
「真救世主伝説ね。あれ結構面白かった。大塚明夫さんのサウザーが”このサウザーがいたらシャレになんねえ”って感じなんだけど、シュウが大塚芳忠さんなんで、格好いい一方で”このシュウ、何かやらかすんじゃないか……”って心配になる」
「あれ、サウザーが”お師さん”エピをカットしてるから、本気で頭変な人になってて大塚明夫さんなんで、ちょっと凄いよな」
「何かもの凄いことになってる気が」
「まあ一見しとけ。原作知らない方がチェック眼無くて純粋に面白いと思う」
「で、何でそれだけ聖帝十字陵やって賞とれなかったん?」
「あ、いえ、余った資材があったので、ボツになったパチンコ部分を成形して、レール式のバリスタ作ったんですよ。やっぱり一メートル半くらいの。こっちは友人に持っていって貰って」
「何してんのアンタ」
「いや、私じゃなくてですね。そうしたら友人がそのバリスタで通学途中の子供達を射撃し始めまして」
「あー、撃つ撃つ、小学生はやるよね」
「聖帝十字陵のトップ運んでる前でボウガン振り回してるとか、本気で北斗の拳やろ、その世界観」
「ちなみに当時はバリスタって名前知らなかったので、格好つけて”レールガン”って名前にしてました」
「そうしたらどうなったの?」
「ええ、学校着いたら取り上げられまして、始業式の朝礼で校長先生が確かこう言いました」
「──とか言われて」
「そりゃ攻城兵器で人撃ったらコストが合わんよな」
「レールガンで人撃つことを推奨する先生がいたら見てみたいよな」
「うちなんかは、そういうの自体がなかったですね……。あ、宿題はありました」
「うちも工作は無しで、自由研究だったなあ」
「何かやった?」
「貴様は?」
「俺はフツーに研究だったなあ。一年と二年は、学校課題で朝顔とかの観察記録つけさせられるんだよ。で、三年から本番で」
「三年では何を?」
「いや、至ってフツー。家の一階と二階で、親が”涼しいから上に行っとけ”とか言うんで、ホントかどうか統計とった」
「結果、どうだったんです?」
「ほとんど変わらず。風通しのいいところが涼しいから、二階だと風通しがよくなる場合が多いので、そうしてるんでなければ意味が無いとか、確かそんな感じ」
「何で先輩、昔から”ああ言われたらこう”なんですか」
「俺そんなにそんなかな……」
「大概何か逆らって生きてる気がします」
「いや、望んでないときもあった」
「何やそれ」
「小学校二年くらいだったかなあ、当時、コーラの2リッターだかのペットボトルが初めて出てさ」
「あー、あったあった”落としても割れない”ってCMあったわな。──俺、家族で買い物の帰り、家の前の階段に叩きつけたら爆発して無茶苦茶叱られたわ」
「何してんだアンタ」
「いや、結構スゴイ音してな。バンッ!! って。それで御近所がガス爆発か何かと思って慌てて出てきたりして」
「買って来たコーラをいきなり階段に叩きつけたら、親御さんビビったでしょう」
「いや、先に行動宣言したら絶対止められるやろ」
「もう一回言うけど何してんだアンタ」
「せやけど、爆発したときの俺の感想は”嘘じゃねえか!”だったからな? それ以降、ペットボトルの信用性を失って、次にペットの飲み物を買うたのは、午後ティーまで無かったかと思うで?」
「あー、午後ティーはペットだった憶えがある」
「何かアレ、中学校で体育館前にある”学生は使ってはいけない自販機”に入っとってな。でも夏休みにその禁が不要になるんで、練習の後に飲んどったなあ。今飲むと結構甘いけど、当時としては結構スッキリ飲料だった憶えがあるで」
「解る解る。うちも胃腸が弱い友人いて、砂糖系ガッツリが苦手だったんだけど、そいつも午後ティーは飲んでたなあ」
「話戻しますが、では貴方のペットボトル云々は?」
「ああ、夜中、うちに客が来る事になってな? それで母親が”ちょっとコーラ買ってきなさい”ってんで小銭渡された訳」
「何? 売ってなかったとか?」
「いや、当時、あったろ。ペット2リッターが併売されてる自販機」
「あー、ありましたありました。そこだけボタンが大きいんですよね」
「憶えてるようなないような……」
「いや、まだあると思うで? で、それが?」
「ああ、うちから一キロくらい離れた駄菓子屋の自販機がそれだったんだよ。で、見ると、やっぱ辺境だから、二つある大瓶のところはコーラ・コーラでさ」
「ああ、辺境はそういうの多いですよね」
「でもまだペットがレアな頃で、こういうのをしかも自販機で、っていいじゃない。だから金突っ込んで”よっしゃコーラ!”ってボタンをバシーッ! ってやった訳」
「何しとんの貴様」
「いや、俺が一番解らないって。だってコーラってボタンに貼ってあんのよ?」
「それでどうなったんですか?」
「駄菓子屋当然店を閉めてるし、仕方ないから家帰って母親に見せたら”何買ってきてんの!?”って無茶苦茶叱られて」
「貴様多分、その時、母親に”ノリで生きてく小僧”と思われとったと思うで」
「当時のファンタパイナップルじゃしょうがないところありますね」
「いやまあ俺の方も”コーラ押したらパイナップルが落ちてきたんだよ!”って言ったんだけど、信じて貰えなくてさ」
「そらまあ信じられんわな」
「結局、もう一回小銭渡されて、遠くのスーパーまで買いに行かされた。あれは何か、もの凄い理不尽だったなあ……」
「理不尽」
「当時、パイナップルはちょっと珍しかった憶えがあるので、お客さんにもし出されていたら、結構驚かれたでしょうね」
「多分アレ、商談の席だと思うから、そんな真面目なところにファンタパイナップルが出てきたら、違和感凄くて話まとまらなかったんじゃないかなー……」
ちなみにビミョーに続くかもコレ。
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