寝かしつけ創作おはなし サバンナ編


☆寝る子供はせいぎ君です。


 せいぎ君はアフリカのサバンナでライオンさんとお友達になり、一緒に遊びました。

 

 せいぎ君とライオンさんは、

 バオバブの木の所でかくれんぼをしたり、

 一緒にシマウマを追いかけたりして、

 一日中遊んでくたくたになりました。


 くたくたに疲れてライオンさんのおうちに行くと、ライオンさんのお母さんが、お肉のたっぷり入ったシチューをたっぷり食べさせてくれて、お腹いっぱいになりました。


 それからライオンさんのお母さんは温かい毛皮でライオンさんとせいぎ君をしっかりくるんでくれました。


 せいぎ君はまぶたがおもおくなって、手足があたたかあくなって、すっかり眠りたくなりましたが、ライオンさんは眠れません。


「僕眠れないよ。」

「そうなの?なら、サバンナを越えておおきな岩山の向こうに住むゾウおじさんの所で、ぐっすり眠れるお薬もらってきてくれるかな?

 それを飲むと、手足があたたかあくなって、ぐっすり眠れるようになるんだよ。

 せいぎ君も一緒に行きますか?」

 せいぎ君はすっかり眠くなっていましたが、ライオンさんと一緒に、サバンナの向こうの岩山に住むゾウおじさんのところに、遠い遠い道のりを歩いていくことにしました。


 ライオンさんとせいぎ君は遠い遠い道のりを、ゆっくり歩いていきました。

☆「せいぎ君、眠そうだねえ。もうお目目が閉じてるし、足もゆっくりしか動いてないよ。一日中遊んでくたくただから、眠くなったんだよ。眠くなったら寝てもいいんだよ。お目目もつぶっていいんだよ。

 ゾウおじさんの所には、僕が行ってお薬をもらってくるからね。」

(この☆の部分はその後も何度もくりかえします。)


 ライオンさんとせいぎ君がながあい道を歩いていくと、途中でハイエナさんに会いました。

 ハイエナさんはたくさんの群れで体を寄せ合って、眠るところでした。一番偉いお母さんのハイエナが、子供のハイエナと大きなハイエナたちのために、子守唄を歌っているところでした。


「ねんねんころりよ。 おころりよ。♪」

(なんでもお好きな子守歌で。わたしは「おやすみことりさん♪」をまるまる一曲歌いました。)


 それを聞くと、子供のハイエナも大きなハイエナも、こっくりこっくりして、サバンナの草の中に顔を埋めて、眠そうにして、眠りにつくところでした。


「ハイエナさん、ハイエナさん、どうやったら眠れるのですか?」

 ライオンさんとせいぎ君は聞いてみました。

「それはね。一日中走って、お腹いっぱい食べて、それから温かいポカポカした草の上でみんなで体をくっつけていると、眠たくなるんだよ。お歌を歌うのもいいんだよ。」

 えらいハイエナさんは教えてくれました。


 二人はハイエナさんの群れの中に入れてもらいました。

 毛皮がとっても暖かくてせいぎ君は眠たくなります。

 でもライオンさんは眠たくなりません。


☆「せいぎ君、眠そうだねえ。もうお目目が閉じてるし、一日中遊んでくたくただから、眠くなったんだよ。眠くなったら寝てもいいんだよ。お目目もつぶっていいんだよ。

 ゾウおじさんの所には、僕が行ってお薬をもらってくるからね。」


 でもせいぎ君はライオンさんと一緒に行くことにしました。



しばらくサバンナの草むらの中を行くと、今度はミーアキャットの群れに会いました。


ミーアキャットたちは、一匹が立ち上がって見張りをしています。

その間にほかのミーアキャットたちが、穴の中に入って眠るのです。

最後のミーアキャットが巣穴の中に入って、すうすう寝息を立てるのを聞くと、見張りの勇ましいミーアキャットは目をぴかっと光らせて、周りを見張りました。

 

 勇ましいミーアキャットは、せいぎ君とライオンさんの姿を見つけて見とがめました。

「誰だ!じゃまするとただでは済まんぞ。」

「すみません。邪魔はしません。ただ、通りがかっただけです。ぼくはせいぎで、こちらはライオンさんです。

 岩山の向こうのゾウおじさんのところに、ぐっすり眠れるお薬をもらいに行くところなんです。

 ミーアキャットさん、教えてください。どうしたらぐっすり眠れるようになるんですか?」

「それはだな。温かい巣穴と、しっかり見張る仲間がいたら、安心して眠れるんだ。

 どちらもとても大事だぞ。

 お前たちには巣穴はあるのか?見張ってくれるお父さんかお母さんはいないのか?」

「巣穴はないけど、温かい毛布があります。それに、しっかりした壁のあるおうちに、強いライオンのお母さんがいます。」

「ライオンは強いから安心だが、危ない時に知らせてくれる仲間も大事だぞ。夜通し見張ってくれていないんじゃないか?

ここで寝ていきなさい。そこの草はふかふかでくるまれているととっても気持ちよくて暖かいよ。見張っているから安心だぞ。ゆっくりしていきなさい。危険になったら教えてあげるから何も心配しなくていいよ。じっと目をつぶっているとそのうち眠たくなるからね。」

 ミーアキャットさんは長い尻尾をライオンさんとせいぎ君にかけてくれました。

 そうするとせいぎ君はあたたかくて安心してすうっと眠くなってきました。目をつぶって眠りにつきます。

 でもライオンさんは眠くなりません。



☆「せいぎ君、眠そうだねえ。もうお目目が閉じてるし、一日中遊んでくたくただから、眠くなったんだよ。眠くなったら寝てもいいんだよ。お目目もつぶっていいんだよ。

 ゾウおじさんの所には、僕が行ってお薬をもらってくるからね。」


 でもせいぎ君はライオンさんと一緒に行くことにしました。




せいぎ君は眠い目をしぱしぱこすりながらライオンさんと一緒にサバンナを行きました。


「せいぎ君。眠そうだねえ。僕の背中に乗るといいよ。」

 ライオンさんの背中は温かくてふかふかで、おおきくてとても寝心地がいいのです。

 ライオンさんがゆっくりゆっくり歩くと、せいぎ君はゆらゆら揺れてすっかり眠くなりました。

☆「せいぎ君、眠そうだねえ。もうお目目が閉じてるし、一日中遊んでくたくただから、眠くなったんだよ。眠くなったら寝てもいいんだよ。お目目もつぶっていいんだよ。

 ゾウおじさんの所には、僕が行ってお薬をもらってくるからね。」


 

 ライオンさんとライオンさんの背中に乗ったせいぎ君がサバンナの草原をゆっくりゆっくり歩いていくと、大きな池があって、フラミンゴさんの群れがいました。

 フラミンゴさんはピンク色をしていて、たくさん並んでいて、池はピンク色に見えました。フラミンゴさんたちはみんな片足で立って、翼の中にくちばしを入れてあたたかくして、これから眠るところでした。


「フラミンゴさん、フラミンゴさん、どうしたら眠くなるの?」

 ライオンさんは聞きました。

「一日中お空を飛んで、魚を探していたら、眠くなったんだよ。羽根を膨らませると温かくなってすっかり眠れるようになるよ。目をつぶるのもいいよ。」

 フラミンゴさんたちは教えてくれました。

 せいぎ君とライオンさんはフラミンゴさんに教わった通りにしてみました。 

 お池の側に太陽の光に照らされて、すっかり温かくなった石があったので、ライオンさんはそこに寝そべりました。せいぎ君はライオンさんの背中の上に上りました。二人とも腕の下に頭を入れて、丸くなって目をつぶると、だんだん気持ちよくなってきて、眠くなるのでした。

 せいぎ君はすうっと眠りの世界に入っていきました。夢の中で温かい雲の上に乗っているような気がしました。

 でもライオンさんは眠くなりません。


☆「せいぎ君、眠そうだねえ。もうお目目が閉じてるし、一日中遊んでくたくただから、眠くなったんだよ。眠くなったら寝てもいいんだよ。お目目もつぶっていいんだよ。

 ゾウおじさんの所には、僕が行ってお薬をもらってくるからね。」


 でもせいぎ君はライオンさんと一緒に行くことにしました。



お山の所に来ると、ジャングルがあって、たくさんの背の高い木が生えています。



せいぎ君とライオンさんは黒白のキツネザルに会いました。

キツネザルは子供ざるを抱えて、木にしがみついて、これから寝るところでした。


「キツネザルさんキツネザルさん。どうやったら眠くなるのか教えてください。」


 キツネザルはぶらぶらとしっぽを振ってこたえました。

「しいいっ。もう子供が寝るところなのだから静かにして。静かにしていたら、眠くなるわよ。真っ暗にするのもいいわね。お目目をつぶってごらん。真っ暗になって眠くなるわよ。」

二人はふかふかの草の上に座って、目をつぶって、耳をふさいでみました。

 すると真っ暗になって、何の音も聞こえなくて、しいんとしています。

 せいぎ君はだんだん眠うくなってきました。

 でもライオンさんは眠くなりません。


☆「せいぎ君、眠そうだねえ。もうお目目が閉じてるし、一日中遊んでくたくただから、眠くなったんだよ。眠くなったら寝てもいいんだよ。お目目もつぶっていいんだよ。

 ゾウおじさんの所には、僕が行ってお薬をもらってくるからね。」


 でもせいぎ君はライオンさんと一緒に行くことにしました。



以下くり返し。

お好きな動物を入れてみてくださいね。

私の知り合いの子どもは面白い話だと聞いてくれるようでした。

動物は「おかあさんといっしょ」の最後の「体操のお兄さんの歌」に出てくる動物の中でもサバンナの動物を選びましたが、何でもいいと思います。


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