いまさらながら彼方さんに聞いてみた

「なぁ。やっぱ皿って割れると死ぬの?」

「は? 皿? どの?」

「え、どのって。その、頭の皿」

「頭? ああ、百会蓋殻あわたか」

「あわた?」

「おう。いや、別に死なないが?」

「え。そうなんだ」

「生え替わるしな」

「……生えるのか」

「ああ。なんだ、爪みたいなもんだな、要は」

「頭に、爪……」

「頭頂部を守る重要なもんだが、あんま広がりすぎっと邪魔だからな。ある程度で切るか削るかしないといけねーし、けっこう手間だ」

「…… へー ……。あ、皿が乾くと弱る、とかは?」

「あ? うーん、乾燥すっと気分はよくないが。別に百会蓋殻あわたに限った話じゃねぇからな」

「ふうん。でもそっか。なら良かった」

「ふむ?」

「いやさ、落下の衝撃のせいかな。なんかお前のあわた?にひどいヒビ入ってるから、もしかしてまずいんじゃないかと思って」

「っ!」

「割れても平気なもんで良かったー」

「……そりゃ百会蓋殻あわた割れるだけで済んだから良かったが。さすがに頭蓋骨割れたら、俺も死ぬからな?」




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