― 幕間 ―

魔王の躊躇い


あの勇者は強い。


かの世界の魔王が、あの悪逆非道を重ね力を蓄えし魔王が滅ぼされたのも道理であろう。


脅威ではあるものの。


勇者には依然気づかれていない。勇者は油断している。



ならば敢えて相対する必要もない。



ただ終局の時を待てばいい。


この世界の破滅と共に勇者もまた破滅するよりないのだから。


そうすれば、還る勇者を失うかの世界もまた、いずれ破滅させられるだろう。




そうなるより他に道は無い。



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