45:シルバー#銀粘土は楽しいという話

 俺ことP.N.『水縹みはなだF42(@Mihanada_f_42)』には婚約者が居る。



 前述の通り結婚指輪はプロに頼んで、婚約指輪は自分たちで作ろうということになっている。というわけで銀粘土で作ってみたレポをしてみよう。



 はじめに『銀粘土シルバークレイ』というものについてだが、単純に言ってしまえばそのまま、銀の混じった粘土で焼くと銀になる。粘土なので整形が楽ちん、非常に多彩な形に形成出来るのが売りとなっている。


 だがそれがメリットであり、デメリットともなっている。


 銀粘土は本当に『見た目通りに焼きあがる』ため、非常に難しい趣味なのだ。たとえばちょっとした傷でも残しておけば、傷の形そのままに銀は焼き上がる。


 だがそれだけではない。焼成前には目に見えなかった皺や窪みが、焼成することで露出することが多々あるのだ。


 一発で完全な形に焼き上げるには熟練の業が必要である。さらに銀粘土自体も『純銀』なので10グラム2,200円するのでさくっと手軽に楽しめる趣味ではないだろう。


 単純に造形あそびがしたいなら、おゆまる粘土でやったほうがずっと賢い。



 賢いが銀粘土はッ!!!


 YUーGIも言っているだろう『もっと腕とかにシルバー巻くとかさ!』って。 だから浪漫ある銀粘土細工に我々は挑むのだ。



 でも何が難しいか伝わらないと思うから、どう難しいかもうちょっと明確にリストアップしてみよう。



1.うまく形が作れない


 ほんまこれ。頭の中をアウトプットするのが凄く難しい。

 銀粘土は乾燥しやすいし、固い粘土なので造形が凄く難しいのだ。きれいな平たい板を1つ作るでも難易度が高め。


 こう、なんだ。ゴジラを作ったら蒲田くんになった的なニュアンス、分かるかな?


 とにかくとかいうのがひたすら難しい。いわば『自分で髪を切る』レベルの難易度と言って差し支えないだろう。



2.うまく彫刻できない


 これもネック。何か彫り物しようとすると、範囲の狭さも手伝って途端難易度が急上昇する。っていうかお米に文字書くレベル。解決するためには『モールド』と呼ばれるシリコン型を使うのが一般的だが、なんかこう、妙にプライドが邪魔してモールドを寄せ付けない。

 負けた気がするじゃん……まだ、まだ俺の心は折れてねーし……。そうして財布は干上がっていくのだ。まるでガチャのごとく……。


 いやガチャよりはマシか。うん。IM@SとかFGOとか10万単位で溶かす人いるもんね……それに比べたらマシだようん。



3.サイズ感が図れない


 これも仕方ないのだが、妙にごん太に仕上がりがちだ。薄く細い指輪っていうのは壊れやすいし割れやすく難易度が高い。それを考慮するとどうしても分厚くなるのだけど……つまるところチキンレースでビビってるんだよね。

 こればかりは慣れていくしか無い。そして慣れるまでにどれだけ銀を使えば良いのかと考えると、やたらコストの掛かる趣味なのだなぁと実感する。



 でも自由に形が作れて、思ったとおり……とは行かないまでも近似値まで寄せられるのは銀粘土の強み。それに一緒に創作する休日ってのはとても楽しいぞ? お互い協力しながら何かを作り上げるっていうのは、すばらしい時間の使い方だと思う。


 そのうちお裁縫も一緒にやる予定なので、その日が楽しみでならない。まぁその日はだいぶ先になりそうだが……。



 いや、実は趣味で知り合った仲なのだが……ちょっと共依存的にお互いべったりになってしまってだね。趣味よりイチャイチャしてる時間のほうが長いんだよねっていうか趣味せずイチャイチャしてるんだよね。


 これは由々しき事態ですよ奥さん! というわけで趣味第一弾として銀粘土なのだ。お互い居心地が良いもんだから危機感もマシマシなのである。


 感覚的に言うと、夏休み初日に宿題の山を見るっていえばわかるかな? 『どうせ後から出来るだろ』という根拠のない確信が、俺たちカップルを襲っているのである。こいつァヤベエぜ。


 ちなみに今回は彼女さんと俺で2つリングを作ったが、両方彼女さんがつけている。若干のサイズ差の違いから、薬指には俺の物が採用された。それでもちょっときついぐらいなのでつらいのだが、今現在も彼女さんの左手薬指に収まっている。


 またそれに気づいてくれた人に自慢しているそうな。ほっこりだが、次はもうちょっとうまく作りたいものだ。やっぱペーペーの素人作の指輪だからね、プロには叶わないが、限り無く近づけていく努力は重要だ。



 こうして無限に婚約指輪が生み出されるカップル……そんなんでもいいんじゃないですかね? きっとお互い死ぬまでこんなノリなんだろうなーと思いつつ今日はこれまで。



 ではコンゴトモヨロシク。

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