リズムゲームVS【エイプリルフール版】

アーカーシャチャンネル

イントロダクション

 西暦2020年、リズムゲーム人気が飽和状態になった日本――ある作品が注目を浴びる事となった。

そのタイトルは『リズムゲームVS(ビジュアルソング)』とネット上では呼ばれている。

リアルスタジアムでパフォーマンスを披露するソレは幼児向け等でも取り入れられた手法だが――唯一、違う個所が存在していた。

 そのシステムこそが――リアルゲーマーが実際にスタジアムでパフォーマンスを披露するタイプだった事である。

過去にも似たようなリズムゲームはあったのは事実だが、そのシステムには更なる秘密が隠されていたのだ。



 別のゲームからこちらへと乗り換えたプロゲーマーであるガーベラ――彼女は、既に100ステージ以上に立ち、連戦連勝を重ねている。

新たなリズムゲームを求めて、リズムゲームVSを発見したデンドロビウム――今までプレイしたリズムゲームでのスキルを生かして、ギャラリーを沸かせていた。

トップランカーとして君臨していたデンドロビウムがガーベラに敗北した事で、ゲーム環境は変化するのだろうか――?

 


 そして、リズムゲームVSのテストゲーマーでもあったアルタイル――。

彼女がこのゲームにかける情熱は本物と思える一方で、周囲のゲーマーの中には違和感を持つ者も現れ始めていた。

当然、反抗勢力が出る事も想定しているだろう。実際――彼女が無策でゲームを始めた訳ではないのは――ネット上の誰もが分かっている。



 ステージでは、誰もがゲーマーとしてデビューするチャンスを与えられていた。

だからこそ――ネット炎上でコンテンツの価値が下がる事を、アルタイルは良しとしていない。

やがて、彼女はネット炎上勢力を『リズムゲームVS』に敵対する者として――彼らを完全駆逐する事を宣言した。



 しかし、それらは全て――アルタイルのシナリオ通りだったのである。つまり、マッチポンプを意味していた。

本来の客層を小学校高学年や中学生と言った層に絞っていたはずが、高校生以上の年齢層に反響があった事に――彼女は戸惑っている。

ホビー系キッズアニメ等を参考にして作って来た筈のARゲームのはずだったのに――。



 全てはアルタイルのシナリオ通りにはならず、やがて――デンドロビウムとガーベラも彼女の思惑とは違う可能性を模索し、『リズムゲームVS』を変えていく。

キッズ向けゲームを目指したはずが、思わぬ展開を迎える事となった『リズムゲームVS』は――。



 誰もがゲーマーになれる、誰もが――名前を知られるチャンスを与えられた――全てに平等であるフィールドは、コンテンツ流通に革命を起こそうとしていた。

プレイヤーたちはアルタイルに対して、反攻に転じる動きを見せるのか――?

彼女の言うコンテンツ流通の革命を『リズムゲームVS』は起こせるのか?

本当に進化したキッズ系ホビーはソーシャルゲーム等よりも支持を集め、かつての人気ジャンルへ返り咲けるのか?

デンドロビウムとガーベラの決着は、このゲームで付けられるのか?

ゲーム全体のマナー無視やモラルハザード、SNSテロ等の問題点を変えられるのか?

イースポーツ化が進むゲーム業界に革命の風を起こせるのか?



 全てはプレイヤー達の民度にかかっていた――と言っても過言ではなかったのである。

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