だから最終的には気持ちなんだよ。お前のハートをフロウに乗せてライムすんだよ
大澤:でもさー、なんかあんまり悲壮な決意で挑むのもよくないなって思ってて。なんかツイで見てても真面目な人から折れていくじゃんね?
ロッキン:あーーわかります。これどこまで言っていいのか分からないし、ブーメランかもしれないんですけど、結局面白くなかったら意味ないんですよね。どんだけ時間かけても真面目で真剣で熱意がこもってても、読む人はそんなの忖度してくれない。そのギャップが埋められなくてギブアップしていく人は多いと思う。
大澤:それそれ。この一作にすべてを賭ける〜〜!みたいなのはね、たぶんあんまりよくないよね。もちろん書いてる最中は必死だから、誰だってすべてを賭けてるんだけど、書き終わったら、それはもう終わったことだから、いいんだよ。(?)
ロッキン:小説を書く時って、日常しない発想で普通の人がしない表現をする訳で、どうしても少し高尚なものが混じってしまうと思うんです。何か特別かつ意味深なメッセージを込めないといけないとか。今言ったようにこれが俺の全てだ! みたいに。それはある意味では合ってるんですけど、読む方は本当に冷めてるし積極的についていこうって意識すらない人もいる。
大澤:あ〜〜刺さる刺さる〜〜!!!!(爆笑) なんかね〜わたしの小説は常に「好き嫌いが極端にわかれると思います」って言われてて、もうそれは業みたいなものなんだろうって半ば受け入れてるんだけど、人の真剣さって、そこに共感できない人にはもうシーン……じゃないですか。響かない。冷めてる。温度差がね、もうすごいし、書いてるときはわたしもガーッ!! ってなってるからガーッ!! っていくんだけど、書き終わると自分も冷めてるから、もう恥ずかしくって。
ロッキン:熱量を持って文章書いてるのと、熱量を伝えられる文章を書いてるのは当然違ってて、前者だと展開にご都合な違和感があったり、キャラクターの感情が突然暴騰したりしてて上滑りしがちですね。読んでる側は「は?」って冷めてるのに作者はどんどん熱くなって間に台風が発生する。そういう小説をよく見かけます。冷静になってみれば、自分のにもそういう箇所が見受けられる。こっち側に引きずり込めないのは自分の技量不足だろうなと思ってます。
大澤:ね〜。でもやっぱそこはガーッ!! っていきたいじゃないですか。
ロッキン:すまし顔をぶん殴ってやりたいですね。
大澤:うん。それに、やっぱなんだかんだいって最後の最後のところでは気持ちの乗りかたで変わってくる気がするんだよね。精神論なんだけど。たとえばオブデの最後の一行だって、別になにも特別な言葉じゃないじゃん。でもやっぱ、その言葉が出てくるところの深さの違いっていうのがあって、どこでその差が出てくるかっていうと、やっぱり作者がどれだけそのテーマに真剣に向き合って、心底格闘したかだと思うんだよね。
ロッキン:あの一文は何度も書き直しました。
大澤:アレはすごくよかった。響いたし、基本的には悲劇的な救いのない話のはずなのに、読後感が清々しくて。
ロッキン:真剣っていうのは、考えるって事ですね。四六時中考えてました。
大澤:あと、あとがきに唐突に出てくるサワメグね。
ロッキン:へへ。
大澤:わらった。でも、自分の真剣な言葉を誰かが受け取ってくれたんだって思って、ほんと報われたな。ありがとね。
ロッキン:マジで「おにぎりスタッバー」がなければ小説なんて書いてないですからね。あれは衝撃的でした。
大澤:うれし〜〜!! なーんかね、そのロッキンのノリの軽いところが最高だよね。初登場がそもそも「わーなんか楽しそー俺もやるやるー」みたいな感じだったじゃん。
ロッキン:ノリしかないです、面白くなるならもうなんでもいいです。
大澤:同じアホならノリはなるべく軽いほうがいいよ。使い勝手がよい。
ロッキン:みんなでワイワイ言いながら小説を見せ合いっこするっていう土壌も最高ですよね。これは続けていきたい。
大澤:わたしねー、小説家てきには三連爆死を積み上げててわりと崖っぷちなんだけど、でも今もわりと楽しいんだよね。最初から楽しかったし、今も楽しいの。苦しい創作ワナビ地獄〜! みたいな感じじゃなくて、なんか楽しくやってたらポンと運が巡ってきて本が出せて、でも本なんか出てもなんも変わんないのね。同じなの。続くだけなの。
ロッキン:そう、変わらないですよね。
大澤:だからたぶん、今が苦しいならデビューしても苦しいと思うし、楽しいならデビューしても楽しいと思うな。
ロッキン:それ。人それぞれかもしれないけど、みんな基本は楽しいから書いてるんじゃないんでしょうか。書いてる時は苦しいけど、完成した時の嬉しさったらないですよね。
大澤:そうそう。別に書くのは楽しくないの。普通に苦しいの。書いたのを見せるのが好きなの。書くのが楽しいとかたぶん普通に変態性癖だと思う。誰だって苦しいよね。
ロッキン:10万字ですからね、普通に狂気の世界です。みんなすごい。
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