エピローグ

 後日。


 目覚めると、すぐ隣のベッドにおさななじみのあずさが寝ていた。

 あずさも包帯をまいていた。

 俺とあずさは学校で起きた爆発に巻き込まれて、病院で一週間近く眠ったままになっていたらしい。

 

 あずさには、意識障害が残ったが、日常生活に異常はないだろうという診察結果で、あずさのほうが早く退院し、しばらく俺のところに見舞いに通ってくれた。



 それから、しばらく経って、あずさは俺の彼女になった。


 ふしぎにいつも思ってることだが、なぜかあずさをたまに、A子と呼ぶ人がいる。

 なんでなのかあずさに聞いてみると、あずさは笑って、

「あだ名なの」と答えた。



 あずさは小学生の頃と変わらず実験が好きで、よく解体がしたいと言ってる。

 俺の解体に興味があるようだけど、それだけはごめんだ。



 隣にあずさがやってきた。

「幸せだね」と頭を俺の肩にすりよせる。

 俺は無言であずさの頭をなでた。

 心の中で、これが幸せなのかもしれないと思えた。



                               完結


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八神A子の実験帳 玻津弥 @hakaisitamaeyo

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