最高のBでした

 このエッセイにおける世界の捉え方は多くの方、とくに考察を趣味としてない方々には奇天烈なものに見えるかもしれません。中には自分の考えと違うからって切り捨てたり攻撃したくなる人もいるでしょ。

 でもそれはとっても勿体ないことだと思うんです。

 みなさんご存知かとは思いますが弁証法というものがありまして。二つの命題を統合してシンテーゼに到達する方法です。

 自分の考え方(A)も、それとはまったく違う考え方(B)も、それ単体では不完全です。矛盾してるように見えるその二つを統合できたとき、新しい真実(C)が見えてきます。

 一般的なAとは異なるBをこうも大胆に、かつ明瞭に言語化できる人なんてそうはいないんです。勇気がなかったり、言語化できる技術がなかったり、そもそもBを持ってないかもしれない。

 そう考えるとこのエッセイはとても貴重な文献なんですよね。少なくとも私にとっては……ついに、やっと見つけた「最高のB」になりました。