第28話:セクシャルマイノリティ

 私は、自分がセクシャルマイノリティなのか判りません。

 ただ一つ解るのは、私の性別が女なのでゲイでない事だけです。


 私は、高校生の頃から不思議だった事があります。

 それは、『○○さんてMだよねぇ』等のたわいもない会話の数々です。

 私の中では、性行為の際の趣向だと思っているので、『なんでこの子は、他人の事をそんな風に感じるのだろうか?』と少しだけ疑問でしたが、所詮は学生の戯言だと思っていました。

 しかし、社会人になっても変わることはありませんでした。

 現在では、『私はMかな?』みたいな言い方をしています。

 だって、そもそも性行為の経験も無いですし、自分がどういう趣向を持っているかも知らないんですもの。


 でも、『SかMか』というのはまだ例え間違っていたとしても、そこまで大きな問題にはならないと思うのですが、今回の表題にしている『セクシャルマイノリティ』は、そう簡単にはいきませんよね。

 最近では、同性愛を描いた作品も増えてきているので、存在は認知されてきているんじゃないかと思います。

 私も、10代の頃からそういう作品を好んで読んでいました。

 作中で主人公達が、必ずと言っていい程ぶつかる壁があります。

 それは、『子孫繁栄』です。

 好意を抱いた相手の事を大事に想うが故に、伝えるかどうか葛藤するシーンはよく見かけます。

 私には、『セクシャルマイノリティ』をカミングアウトしている知人がいませんので、あくまで憶測になってしまうのですが、こういった事例は現実にもあると思うんです。

 …どちらかというと、“世間”がそういう風潮を押し付けている気がしますけどね。

 私はこの件についても、疑問があります。

 ①何故、『自分はセクシャルマイノリティじゃない』と言い切れるのだろうか。

 ②子孫を残さないのは、本当に“彼等”だけなのだろうか。


 ①については、冒頭の『SかMか問題』と考え方は同じです。

 私はまだ、肉体関係を持ったことがありませんから、『自分はセクシャルマイノリティじゃないです』と言うことはできません。

 …まぁ、そんな事をいうつもりもないんですけどね。

 もし聞かれたら、『私はまだ経験がないので、自分が“レズ”なのか“バイ”なのかわかりません』と答えています。

 強いて言うなら、私は子供を産みたくないので、性行為をするのなら女性相手の方がいいのかもしれません。

 でもそれは、同性恋愛ではないのでまた違う論点になってしまうのかなと思います。

 逆に、『自分はセクシャルマイノリティじゃない!』って言い切れる人ってすごいと思います。

 仮に、以前同性から告白されたり、性行為を試みた経験がある方なら、その時に『自分は同性は無理』と感じたのでしょうから、わかるのですが…。

 そういった経験があるわけでもないのに、『じぶんは違う』と言い切れるのはすごいと思います。


 ②については、たまに政治家やテレビのコメンテイターの発言で見聞きするのですが、結構すごい事を言っている気がするのです。

 確かに、同性同士の場合は体内・外受精等の方法を除けば、子孫を残す方法は無いでしょう。

 …では、私はどうなのでしょうか。

 私は、自分がセクシャルマイノリティかわかりません。

 しかし、自分の子供を欲していません。

 つまりは、『子孫を残さない』という部分では“彼等”と同じなんです。

 勿論、病気等で『子孫を残せない』方達は別とします。


“少子化問題”を理由に“彼等”を毛嫌いする方達が多いですが、経済的な理由等で『子孫を残していない』方達や、私みたいな『子孫を残したくない』方達がいるのだから、仮に日本から“彼等”を追い出したとしても、“少子化問題”が解決するとは思えません。

『追い出す』なんて、少し冷たい言い方になってしまい申し訳ありません。

 たまにSNS等に、議員さん等のコメントが流れてくると、ちょっとムカッとしてしまいます。

 もう少し、色んな方の意見も聞いた上で、そういったデリケートな内容のコメントはして欲しいなぁ…と思いました。

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