第16話:猿から進化したのか、土から創られたのか

 今回、宗教を題材にしています。

 とてもデリケートな内容なのは重々承知していますが、他の題材同様に追加で調べ物はしておりません。

 ただの素人の発言ということを、ご了承ください。

 また、私自身はどの宗教も信仰しておりません。



 この世界には、様々な言い方があるでしょうが、人類の歴史には主に《進化論》と《創造説》が有ります。

 この2つは何かというと、我々人類の祖先等の“ルーツ”について表しているのです。


 日本では、殆どの学校教育で《進化論》をベースに授業を行なっていると思います。

 博物館への校外学習を行う際にも、猿人や原始人の頭蓋骨や、現在の人類までの成長過程を解説するイラスト等を見た事があると思います。

 個人的に、《進化論》はあまり宗教的な影響を受けないイメージがあります。

 勿論、《創造説》を基本とする宗教は別ですが。

 正直、《進化論》の方が資料が残っているので子供にもわかりやすいんですよね。

 実際の出土品なんかを見たりすれば、より実感も湧きますしね。


 一方で、《進化論》の対極に存在しているのが《創造説》です。

《創造説》は、おもにキリスト教の方々が信仰している考えだと思っています。

 また《創造説》は、《進化論》に比べて捏造しやすいと思っています。

《創造説》を、とてもざっくり説明すれば、神様が地球を創って、土塊つちくれから人型の男を造り、他の動物達と違いつがいのいなかった人に、男体の骨を一本抜き取り女体を造りました。

 その後、蛇の誘惑に負けて神様との約束事を破り、エデンの園を追い出された…。

 ここまでは、割と皆さん知っている内容だと思います。

 世代によっては、エヴァン●リオンの方が、認知されているのかもしれませんね。


 私は、小学生の頃から約4年間ほど、近所の教会で行われていた、子供向けの礼拝に参加していました。

 昔から、漠然と歴史物や宗教・神話系のお話が大好きだったこともあり、とても楽しかったです。

 小さな教会だったこともあり、参加していたのは高校生以下の男女10人程と、その保護者の方達でした。

 ある日、それこそ校外学習で博物館に行った時の興奮が抑えきれなくて、礼拝終了後に参加していた50代の女性に、マシンガントークの様に熱く語ってしまいました。

「先週、博物館に行ったんですけど、土器とか人骨とかいっぱい展示されていて、すごかったんですよ!!」

 きっと、すごく目をキラキラさせながら語っていたんでしょうね。

 …けれど、私は忘れていました。ココが《教会》だということを。

 女性は私に、

「でも、猿から人間に進化したなんて、どうなのかしら」

「…え?」

「だって、もしそれが本当なら、動物園にいる猿は何故二足歩行をしないの?」

「……」

 私はその時、“目から鱗”を体験した気分でした。

 正直、そんなこと気にした事も無かったんです。

 今でこそ、『嗚呼、これが宗教という存在ものなんだなぁ』と思いますが、当時の私はそんな発想がなかったので驚きました。


 別に、この2つの思想に善悪がある訳では無いと思います。

 ただ、『貴方はどちらを信じますか?』っていうだけの話なんですよね。

 けれど、両者の専門家の講演会等の動画が投稿されている事があるのですが、これが結構面白いんです。

 専門的な知識は、ちんぷんかんぷんなんですけどね…。


《創造説》と《進化論》

 どちらをより深く信じるかによって、埋葬方法にもこだわりが出てきそうですよね。

 例えば、海の微生物から発展して進化を続けた《進化論》なら、海へ骨粉を…。

 例えば、神様が土塊から造り上げた《創造説》なら火葬せずに、大地へ遺体を…。


 貴方は、何処に還りたいですか?

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