第14話:中学校の過ごし方

 私は、中学校生活3年間の内約2年間を、約8割遅刻の状態で登校していました。

 今回は、そんな私の中学校生活について書いてみようと思います。


 まずは、一般生徒の朝ですが…

 8:15 登校(席についている状態)

 〜 自習(漢字ドリルや読書など)

 8:30

 〜 HRホームルーム

 8:45

 〜 授業開始


 こんな感じだったと思います。

 次は、私の場合です。

 8:14

 〜 ①

 8:18 校門を開ける

 〜 ②

 8:28

 〜 ③

 8:30

 〜 HRホームルーム

 8:45

 〜 授業開始


 この後は、他の生徒と同じなので割愛します。

 私の中学校生活の朝は、①の《かくれんぼ》から始まります。

 まあ、大体想像はつくと思いますが、校門の前で生徒指導の先生が立っていますよね。

 その先生に見つからないように、桜並木に身をひそめるのが、朝の大事な日課です。

 8:15になると先生が

「おーい!門閉めるぞー!!」

 と、桜並木を歩いている生徒を煽るのですが、私は御構い無しに桜の木に隠れます。

 たまに、工事のおじちゃんが隠れている私に、

「いいのかい?先生呼んでるよ」

 なんて声をかけてくれるのですが、

「いつもこうだから大丈夫!」

 と笑顔で答えていました。

 そして、生徒指導の先生が門を閉めて去ったのを確認したら、1〜2分間を空けてから門を開けに行きます。

 もしもこの間に先生に見つかると、教室まで強制的に連行されてしまう恐れがある為に必要なのです。

 そして、②の部分で何をしているのかというと、基本的には階段や女子トイレ等で読書をしています。

 この時間も、見回りの先生に見つからないように気をつけなければなりません。

 そして、③の時間に教室前の廊下で待機して、8:30から他の生徒と一緒に教室で過ごしていました。


 何故、こんな事をしていたのか。そして、こんな事が出来たのかを説明したいと思います。

 まず、私は中学二年生の頃に『同学年→私』という大規模な、俗に言う《いじめ》を受けていました。

 私の場合は、自分の行為が原因で《いじめ》に発展した事を理解しているので、学校への登校は続けていました。

 ですが、私の通っていた中学校には少しばかり問題がありました。

 上記に述べた時間を見ても分かっていただけるかと思うのですが、登校時間である8:15〜8:30までが自習になっていますよね。

 この時間、先生達が何をしているかというと、《職員会議》です。

 つまり、朝の15分間は担任が教室に居ないのです。

 私が《いじめ》を受けていたのは、学年の先生方は全員知っていましたが、この15分間は教師が全員職員室に移動してしまいます。

 生徒が《管理》されていない時間帯に、《いじめ》の根源である私が共同空間に居るのは、流石にリスクが高過ぎます。

 なので、担任が《職員会議》から帰ってくるのを待ってから教室に入る習慣ができるようになりました。

 その結果、ほぼ毎日が遅刻でした。

 担任も、勿論対策を練ってきます。

 私に与えられたのは、『職員室前の廊下を往復10回雑巾掛けをする事』でした。

 毎日遅刻をしていましたから、3日に1回ペースで雑巾掛けをするように言われていました。

《普通》の生徒だったら、放課後の雑巾掛けなんて恥ずかしいし、面倒なので嫌がるでしょう。

 でも、私は先生に

「桜木、今日の放課後雑巾掛けな」

 と言われても、

「はーい」

 と嫌がるそぶりも見せずにこなしていました。

 当時の私からすれば、『雑巾掛けをすれば毎日の朝の平穏な時間が確保できる』くらいにしか思っていませんでした。

 なので、遅刻が減る事は全くありませんでした。

 中学三年生になる頃には、先生も諦めたらしく《雑巾掛け》は無くなってしまいました。

 まあ、私がサボるのは朝の自習位で、他の授業は真面目に受けていたし、《いじめ》を受けている状態で『《不登校》にもなっていないだけまだマシか…』と思っていてくれていたのかもしれないですけどね。

《不登校》については、また別の機会にお話ししましょう。体験談ではありませんけどね。


 私の中学校には、様々な登校パターンがありました。

 ①普通に登校する。

 ②保健室登校

 ③カウンセラー室登校

 ④その他


 ③のカウンセラー室登校というのは、心理カウンセラーの資格を持っている方が2名ほどが受け持つ、《相談室》みたいな部屋の事です。

 部屋には、普段休み時間等に他の生徒も利用する事が出来、ソファーやお絵描き帳が置いてあり、他の生徒が描いた作品を観る事が出来ます。

 ④は、私みたいな…というか私しかいませんでしたけど、変則的な登校方法ですかね。


 勿論、この方法を推奨したり自慢したい訳ではありません。

 ただ、これだけは伝えたい。

《不登校》の道を選ぶくらいなら、②や④みたいな自分に合った登校方法を見つけた方がいいです。

《不登校》を否定するつもりはありません。

 それも1つの自己防衛の手段だし、3年間継続できたのなら、尊敬したい程です。

 何故なら、学校に居づらくなって《不登校》になったはずなのに、《不登校》になってからも…或いは、《不登校》になってからの方が辛い思いをする場合があるからです。


今じゃ、『義務教育の《義務》ってなんだっけ?』レベルですからね…。

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