第5話:草食・肉食な人間達(前編)

 昨年ぐらいから、街頭インタビューで『草食男子か?肉食女子か?』というのを多く見聞きする様になりました。

 似た系統の質問に『貴方はS?M?』というのがありますね。

 正直、何が面白い話題なのか解りません。

 例えば、

「友人のA君は、全然浮いた話も無いし、恋愛話にも乗ってこないんですよ。だから、A君は草食男子だと思います」

 みたいに、知人友人がA君の事を『草食男子』と言う分にはまだ解ります。

 ですが最近では、

「貴女は、肉食女子ですか?」

「はい。私めっちゃ肉食女子なんですよ!!」

 って、自分から発言してるケースが多いなぁと思います。

 一体全体、何の自慢になるんだろうか…不思議です。


 ですが!!

 ここで気をつけなければならない事が有ります。

 それは、肉食女子には2つの意味があるんです。

 ①言葉通りのステーキや焼肉を、ダイエット等を気にせず食す女性の事。

 ②性的な意味も含めて異性又は同性に対して、自ら積極的になる女性の事。

 私は、上記の様に理解していますが、もしかしたら違う解釈もあるのかもしれません。

「私、実は凄い肉食系女子なんですよ」

 なんて、呑みの席で酔った女性がカミングアウトしたからといって、『ワンチャンこの後ホテルに…』なんて、浮かれたら痛い目みます。

 …気をつけましょう。

 セクハラで訴えられるか、貴方の株が急降下してしまうでしょう。

 とりあえず今回は、世間で言われている草食男子の対になる、②の肉食女子のお話をしようと思います。


 突然ですが、私が思う結婚の種類についてお話しようと思います。

私は、現在の日本の《結婚》を下記のように分類分けをしています。


 ①政治的結婚

 ②浪漫ろまん的結婚

 ③義務的結婚

 ④宗教的結婚

 ⑤擬似的結婚


 ①政治的結婚

 政治的…と書きましたが、何も政治家や芸能人に限った話ではありません。

 家系や後継ぎを大切にする日本古来の名残が、『お見合い結婚』なんだと思います。

「〇〇家の嫁として、△△家のお嬢さんなら安心ね」

 みたいな会話をドラマとかで観た事ありますよね。

 本人の意思は参考程度で、基本的には両家の親族が結婚相手を決めるやり方です。


 ②浪漫ろまん的結婚

 後の『草食男子・肉食女子問題』の基準にされる要因が、このタイプの結婚だと思います。

 所謂いわゆる、『男はプロポーズする側。女はプロポーズされる側。』っていう考え方のベースですね。

 親族が決めた相手ではなく、『自分の相手は自分で決めたい』そんな思いがあったんじゃないでしょうか。

 そして、そんな若者の想いを後押ししてくれたのは、国内外の映画やドラマの恋愛シーンなのかなって思います。

 愛煙家の方が、「画面の中で格好良くタバコを吸う俳優さんの姿を観て、憧れて吸った」と言っているのと、考え方は同じです。


 ③義務的結婚

 このタイプの代表例が、『できちゃった婚』ですね。

 世間からの評判は1番悪いですよね。

 古くから、『身体の関係は、結婚し神の祝福を受けてから』という意識があるから、それに反するこのタイプの結婚を、世間はあまり良くは思っていないのでしょう。


 ④宗教的結婚

 ぱっと思い浮かぶのは、恐らくキリスト教ではないかと思います。

 ですが、現在の日本にはそれこそ数多あまたの神様が混在しています。

 いくら信仰の自由が許されているからといって、流石に多すぎますよね。

 ここでいう《宗教的》というのは、神様の有無にかかわらず、自分の趣味や応援している存在に対しても、《信仰》と言えるレベルの感情が働きます。

 例えば、

 ・好きなアイドルグループの違い

 ・応援しているスポーツチームの違い

 なんかが、《宗教ではない信仰》代表例ですよね。

 私は小学生の頃、まだゆるキャラが少なかった事もあり、『ジャビット君が可愛いから巨人が好き』と言っていました。野球には興味が無かったんですけどね。マスコットキャラの可愛さだけで決めていました。

 するとある日、母が私に「彩は巨人が好きなの?なら、関西の人とは結婚出来ないね」なんて言われたもんです。

 勿論、当時母はジョークのつもりで言ったんだろうと思っていました。

 でも、案外当たっているのかもしれない。

《サポーター》と呼ばれる存在になる程、スポーツを観戦したりした事がない私は、『別に阪神ファンと巨人ファンが結婚したって良いじゃないか』と思うのですが、確かにいつかは言い争いになって、離婚になっちゃうのかなとも思います。

 勿論、宗教によっては入団し教祖様や権力者の選んだ相手と結婚する場合もありますね。

 現在では多少緩和されているようですが、両親がこのタイプの結婚をした場合、その子供達にも恋愛の自由が剥奪されてしまう場合があるそうです。


 ⑤擬似的結婚

《事実婚》とかいうのも、これに入るのかな。

 様々な事情により、《婚姻届》を提出できないカップルが行う、様々な手段の事です。

 養子縁組や、《婚姻届》に記入だけ行い手元に保管して気分だけ味わう。みたいなのが代表例になるんでしょうか…。

 あと、一部の自治体で実施されている《パートナーシップ条例》も、擬似的な婚姻なので該当します。

『日本は遅れている』と言われる原因の一部がこの⑤です。

 同性婚が正式に認められていないので、⑤を選ぶか海外結婚を選ぶ事になり、国内での挙式はできても正式な結婚は難しいのです。

 その背景には、第3話でテーマにした《少子化問題》という巨大な壁が塞いでしまっているのでしょう。


 …さて。

 表題から少し話が逸れてしまいました。

 ですが、この①〜⑤のタイプ分けも大事なんです。

 歴史に詳しいわけではないのですが、①→⑤の順で日本に長く根付いた文化だと思っています。

 話が長くなってしまうので、草食男子・肉食女子については、前後編に分けて書く事にします。

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