第3話 心の虫といっしょに

しかし元には戻せなくても、いまからでも何か他のカタチには出来るのだと思う。残っている欠片を集めればまだ何かは出来る。そして悪意が増幅してボロボロになってしまうのはおそらくそのままなのだろう。簡単に修正出来るのなら、こんなことにはなりはしなかった。こんな暴れ回るだけの虫たちも自分の生き写しなのだから、ちゃんと向き合って付き合い続ける必要がある。


おそらく近いうちにまた心の虫は消えてしまうと思う。この虫たちは自分が自分の心に向き合うときにしか出てこない。次に自分が進むべき一歩が見つかった以上、また虫たちが現れるのはその道で何かにつまづいたときになるんだろう。出来ればもう出て来ないで欲しいとは思うのだけど、ひょっとしたらすぐに出てきてしまうかも知れない。


それでもいいさ。また何かあれば虫たち、いや自分自身に向き合って考えていけばいいのだから。


そしてわたしは歩き続ける。この心の虫たちとともに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

こころのムシ ゆたりん @nirakuyu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ