第6話
さすがに二日連続で泊まるわけにはいかなかったので、夕方まで勉強したあと帰宅した。薫はもう一泊することを要求し、次は一番美味しい腿のあたりを食べて欲しい、と言っていた。
「ただいま」
「あら、お帰り。遅かったわね。お夕飯食べる?」
キッチンにいたお母さんが大きな声で呼びかけてきた。しかし、今は食欲がなかった。朝に食べた薫の抜け殻以外、何も口にしていないというのに。
「いい。薫の家で食べてきたから」
今日はもう風呂に入って寝よう、と思い、鞄を部屋に放り投げて風呂場に直行した。脱衣場の鏡に映っていた私の顔色は暗く、今日一日の間に起きた出来事がいかに負担だったかを表しているようだった。
薫から借りた服を脱ぐと、以前とは明らかに違うものが目についた。
「あれ? お腹、超ぽっこりしてる?」
そのとき、ポケットに入っていた携帯が振動した。画面を見ると、薫からだった。
美人な君は 音水薫 @k-otomiju
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