応援コメント

仇敵の弱点(1)」への応援コメント

  • カウルを同行させる事で、アキム自身も失う事の出来ない無二の存在である事を理解させるという、ジョースタック先生、非常に深いですね。カウルも優秀なので役に立ちそうな感じだし。
    しかしこれは、仮説に基づく危険な実験だと思う次第で、これで水が弱点でなければえらい事になりそうな。しかし実験しなきゃ確かな事は解らないし、ここが勝負所ですね。また続きも読みに来ます!

    作者からの返信

    感想コメントありがとうございます。

    アキムが主任魔法研究士になってから、理想的なリーダーというものを前任者と比較しながら問題にしています。アキムは理想主義者(ロマンチスト)です。自己犠牲の精神を好み、感情論で語るところがあります。真面目で自己犠牲的なヒロインだったティータに惚れこみ、放っておけないところなどは物語の冒頭から一貫しています。

    他方でジョースタックは現実主義者(リアリスト)です。利己的にならず、常に問題を客観的に眺め、俯瞰することができます。暴走気味なアキムをいさめるのにぴったりな上司です。

    ハングリーで求道的な現場責任者に、バランス感覚に優れた総責任者。アキムとジョースタックはベストタッグとも言える関係でしょう。利益で繋がっていたエキストとデスティンの組み合わせが酷かったせいもありますが、影の王に戦いを挑むのにこれ以上の人材はいません。

    初登場のカウルは文中にもあるようにアキムと似た自由奔放なタイプです。ジョースタックの狙いのひとつはアキムに客観性を持たせるべく、自分の姿を鏡に映せる環境を用意しました。そして弟子を持たせることで、決して自己犠牲などせずに自重させ、本当の意味で魔法士たちを牽引するのにふさわしいリーダーへの成長を促そうとしているのです。

    名選手の陰に名将あり、といったニュアンスです。

    編集済
  • だんだんと気持ち入りすぎて冷静に読めなくなってきました。イッキ読みしちゃってるので、コメ投下多めで煩いかもしれません(^^
    完膚なきまで叩きのめされた後に、再起を決して道を探るのは容易ではないと思います。あの凄惨な戦いを経て、アキムたちもそうでしょうけど読み手である私にとっても、影の王は許し難い仇となりました。
    関わる人々の思惑は様々でも、アキムの不屈な姿勢が若い子たちを勇気づけているのだろうなぁと思います。
    作戦の成功を祈りつつ……!

    作者からの返信

    ご感想ありがとうございます。拙作を楽しんでくださり、感激です。たくさんのコメントは嬉しい限りです。尋ねたいことなどあれば、いつでもご連絡ください。

    この辺りのストーリーは、音楽に喩えるならサビ前というところでしょうか。クライマックスへの序章として、数多くの設定や伏線が集約し始めています。

    主人公アキムは、物語の冒頭では最年少の身分で、周りから教わることばかりでした。今後は魔法研究所の主任研究士として、逆に「教える」側へ立場が変わります。人間関係が主に年上や目上の人間対象だったのが、今度は年下の人間も数多く加わるのです。

    人間ドラマの形態が変化するというのも本作の見どころのひとつです。

    余談ですが、加速度を増すストーリー。作者としてはもっと早くから面白く出来なかったかと反省しています。やはり冒頭からスリル満点であることがベストだろう、と思っています。その辺りは今後挑戦していくつもりです。(途中まで読めば面白くなってくる……のではダメだ、という話をよく聞きます。……かと言って他の作品に倣うだけでは特徴が薄れてしまいます。自分オリジナルの物語の形態を維持しつつスタートダッシュするような黄金比を模索しなければならないと思います。)

    試行錯誤しながら研鑽する所存です。

  • 実はわたしは異世界やファンタジーや魔法に関する小説をあまり読まないのですけれども、この作品には不思議なリアリティを感じて読み進めさせていただいています。そして、このエピソードでそのリアルさの理由がわかったような気がします。組織、特に窮境に立ち向かう組織においては、自らが汚泥に身を晒して実務に取り組んだり、組織内で相手を尊重して敬意を払う態度が他のメンバーに動いてもらう上でとても大切です。たとえば企業再建のような・・・そういう深さが物語に説得力を持たせているのだと感じました。スピードは遅いですが楽しみに読ませていただきます

    作者からの返信

    ありがとうございます。おっしゃる通りでして、本作は(物語の裏側で)組織……とりわけ現代的日本企業をモチーフとした人間関係を描いています。現代的というのは、実力主義を取り入れつつもどこか不正の影(陰)が見え隠れする、どこか歪な社会という意味です。主人公アキムは冒頭で新入社員であり、途中で挫折し、後半でリーダーになります。グループを牽引する立場で何が大事なのか、過去の経験を糧に模索するといったストーリーです。

    この部分は読み込んでくださる読者様へ用意したものでして、気づいてくださる方へは感謝の言葉しかありません。今後もWIZARDWARE魔法戦記シリーズでは「ファンタジー」という手法で技術やら社会問題やらを表現していくつもりです。面倒な世界観と感じることもあるかもしれませんが、応援してくださればこれ以上なく光栄です。

    【追記】(ファンタジー作品じゃないか、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、ジャンル的には技術やテクノロジーがメインテーマのときはSFにするつもりです。物語や設定に比喩表現を多用すればファンタジーと言えますし、フィクション全てが何かしらファンタジー要素を持っているような気もします。新ジャンルなのか、This is ファンタジーなのか、自分でも判然としません。さしあたって、区分けはあまり深く考えないようにしています。)

    編集済