手軽で便利な分、融通が効かなくて不測の事態に対応しにくい……て感じでしょうか。
やっぱりアキムの感性は面白いですね。
レッドベース先輩との関係が以前のとおりでちょっと安心した一コマでした。
作者からの返信
感想ありがとうございます。この場面で描いた内容は、おっしゃる通りです。
IT技術(プログラミング)の話になりますが、C言語というプログラミング言語は「ポインタ」というハードウェアに直接シンプルにアクセスできる便利な機能を持っています。制約もありません。
その反面、ポインタを多用したプログラムで開発したシステムは、とんでもない暴走を引き起こす危険性を秘めています。(←少しおおげさです。)
実際には、テスト中にOSが突然再起動したり、アプリケーション自体が異常終了する程度ですが、不具合箇所を見つけにくいなどの理由もあって非常に面倒な問題をもたらします。
おかげで、それ以降に誕生したプログラミング言語は、「いかにポインタを使わないようにするか」がひとつのテーマになりました。ポインタ(C言語系)を用いる場合の開発でも、いかにエラーを柔軟に受けとめるかがメイン設計者の悩みの種となったのです。
そんなプログラミングの歴史が垣間見えるアキムとレッドベースの会話です。
物語内においても重要な会話です。聖弓魔法兵団と影の王との戦いで融通の利かない点が何を引き起こすのか……アキムの懸念は……。見どころのひとつです。
編集済
特定の番号を持つ者は、特定の番号を持つ者にしか魔法の授受、あるいは行使できないという感じで、陣形のどこかに事故が発生した場合、治療する事も、代替えの者を立たせる事も難しい……という感じでしょうか。きっちりとした陣形にて魔法力を集約する事を目指すあまり、柔軟性を欠いてしまったという感じなのかなあと。
レッドベース先輩は自分からアキムに意見を求めるほどなので、アキムの能力を評価しているのだろうと思いつつ、ここから陣形の問題点をエキストやデスティンに伝えるとなると、また問題が発生しそうな。そしてティータちゃんがなかなか戻ってこないという、何か既に問題が起こってそうな気も。
また読みに来ます!
作者からの返信
感想コメントありがとうございます。
聖弓魔法兵団の構造は、拡張性のないプログラムをモデルにしました。仕様追加があった時、意図しないバグが見つかった時などに拡張性・柔軟性に乏しいと、ソフトウェア開発が難航します。
単純に工程の追加が尋常ならざる量になるからです。あらかじめ形が変わることを予定して設計しておくと上手く進みます。
プログラムに限らずとも、コンピュータそのものが拡張性の高いデスクトップPCと拡張性の低いノートPC、スマホなどに大別されます。
デスクトップパソコンは、マザーボードのPCIスロットにグラフィックボードやサウンドボードを新たに追加することで、より専門的な用途に使えます。……と言っても、ハードウェア的観点での話であり、ソフトウェア的観点ではスマホなども多目的に使えるからには、充分に拡張性を備えているでしょう。
持論ですが、コンピュータの発達の歴史は拡張性の高さが大きな意味を持っていると考えています。アプリケーション・ソフトウェアをダウンロードするだけで新たなサービスを受けられる環境は、まさしく拡張性を重視した結果です。
本作では、魔法士たちと影の王との戦いで柔軟性・拡張性に焦点を当てて行きます。