最初の場面で、陽が昇っている昼頃に、魔法士が馬に乗って登場し、守るべき農民とその生活の厳しさを伝えるように、荒廃した休耕期の畑を描き、魔法に関する緻密な説明が否応なしにも戦闘への期待を高めて、最後の場面で、陽が沈んでいく黄昏時に、戦闘への緊張が高まるという構成は、実に見事だったので、驚愕しました!これからも応援します!
作者からの返信
感想ありがとうございます。
作品の重要な伏線にご意見くださり、正直驚いています。休耕期の畑と荒廃した風景を描いていますが、実は影の子が現れる事件と密接な関係があります。
物語の8割が経過したところで種明かしがあるのですが、おそらく冒頭のシーンまで思い出される方は少ないだろうと思います。あまりに遠大な仕掛けなので当たり前です。
印象に残るように描写しているのですが、このシーンを示唆した方はいらっしゃらなかったので、思わず喋ってしまいました。細かい仕掛けを用意するのが好きな作者ですが、弱点は限度をわきまえないことです。
それから情景描写にご好評くださりありがとうございます。今後もポイントとなるシーンでは様々な描写が出てきます。中にはずっと後のセリフ・演出に対して比喩となっている箇所もありますが、完全に没ネタ化しています。ヒントは太陽と月と黒い天体なのですが……すみません、忘れてください。
ご意見ご感想をいただけることが何より嬉しいです。今後とも拙作をよろしくお願い致します。
火球魔法、想像よりもかなり高火力な感じですが、過去に現れた影の王の描写から考えると、倒せる様な感じでは無さげかもですねえ。影の子相手にどれだけ効果があるのかも気になる感じです。また続きも読みに来ますー!
作者からの返信
感想ありがとうございます。
ようやく本作の戦闘シーンが始まります。書き出しは寧ろ戦闘部分から始めた方が没入感が高いのではないか、と悩んできました。(設定上できない理由もあるのです……。)序章の面倒くさい内容から続けて読んでくださる方がいることに救われています。
小名題が「最弱の魔法」であるように、火球ごときでは抜本的な問題解決にはなりません。「影の王」は巨大です。
実は攻撃能力のある火球の存在は「最弱」と矛盾するのではないか、これも悩みどころでした。何度か時間を置いて読み直し、不自然な印象が残らないようにしました。
物語では火球(火属性の魔法弾)はすでにあるものとし、主人公アキムがどう扱うか……、そこにハードウェアを使いこなすソフトウェアの妙味があります。
怠惰な心情を、そっと覆い隠すかのような夕暮れの描写。
見事だと思います。
作者からの返信
感想コメントありがとうございます。
本作は空を中心とした風景描写に主人公の心理を投影させています。特に純文学的なものを狙ったわけではないのですが、少ない台詞の代わりです。
人vs人なら、煽り合いがセオリーだと思います。本作は言葉が通じるのか、そもそも思考という存在があるのかないのかわからない得体の知れない存在が敵なので、台詞以外で表現しようとした次第です。
実際、人相手でも全くコミュニケーションが通じないというのは恐ろしいです。言葉が通じてもネット上での姿が見えない相手もまた怖いと感じることはあります。最近は向かい合ってシンプルに意見交換するという場が少ない……そういった物々しさ、怖さをテーマのひとつにしています。