第5話 恋心の色をした
このガラケーの中には思い出が詰まっている。それを取り出してみたくなった。
当時保存した画像とか、メモ帳とかを覗きたくなった。
電源ボタンを長押ししたが流石に3年の月日が流れたケータイは反応しない。
充電器を探した。
それをコンセントにはめて繋ぐも、ガラケーの充電ランプはつかない。電源も入らない。充電されて温かくなっているのは分かるのに。
消化不良、不完全燃焼のこの思いに反応したとするにはあまりにも前提条件が不足しているがそんな気がした。
私が1年とちょっと前に放り投げた恋心は、もう反応しないのだろう。
気が乗らないがやらねばなるまい。英語。
パクン。と音を立てて恋心の色をした2つ折りケータイが閉じた。
……リサイクル、しようかな
あの頃の私への独り言 礫瀬杏珠 @rekiseannzu
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