通常であるならば、魔王は世界を支配するだけの存在なのですが、この世界の魔王は優しさに溢れ、世界を平和にするために魔法のない世界に作り替えました。
その魔王の意思を継ぐ教会で働く死神と呼ばれる少女アムリタと卓越した身体能力をもつ少年トモビキ。
二人のぴったりと息の合った会話やバトルはもちろんのこと、二人の友達以上、恋人未満の関係ももどかしく、胸キュン必至のシーンも見所です。
そして二人を取り巻く個性豊かなキャラクターたちとの掛け合いも読んでいて、とても気持ちよく、近藤さんの繊細な感性と独創的なセンスが優しく織り成す美しい物語の世界にぐんぐん引き込まれていきます。
出会えて良かったと思える大切な物語になりました(*´ω`*)
二人が守ろうとしている世界がこれからも美しいことを願っています。
メインとなる二人の掛け合いが、場面に様々な味付けを見せてくれます。
息の合ったやり取りは日常のシーンではコミカルさを引き立て、緊迫した状況では程よい緩急をつけてくれる。二人のつかず離れずの距離感にもやきもきさせられます。
スケールの大きな展開でも大味にならないのは、丁寧に描かれる描写が物語の骨格になっているからこそ。
会話のテンポと至妙な地の文が、巧みなストーリー運びを生み出しています。
まるで洋画のバディアクションを観ているような気分に浸れる作品。
ワクワク、ドキドキ、きゅんきゅんを求めている方はぜひ一読を。