洋画のバディアクションを思わせるエンターテインメント作品

 メインとなる二人の掛け合いが、場面に様々な味付けを見せてくれます。

 息の合ったやり取りは日常のシーンではコミカルさを引き立て、緊迫した状況では程よい緩急をつけてくれる。二人のつかず離れずの距離感にもやきもきさせられます。
 スケールの大きな展開でも大味にならないのは、丁寧に描かれる描写が物語の骨格になっているからこそ。
 会話のテンポと至妙な地の文が、巧みなストーリー運びを生み出しています。
 
 まるで洋画のバディアクションを観ているような気分に浸れる作品。
 ワクワク、ドキドキ、きゅんきゅんを求めている方はぜひ一読を。