第7話
私の五十歳代は良いことはなかった。
店の売り上げも落ちるだけで最晩年には姉が来、妹と私の三人でやりくり出切るまでの売り上げしかなくなっていた。
その頃の売り上げは、七・八万円になってしまっていた。
私の鬱病は、深くなるばかりで、新たに求人募集すると、主婦のパートさんがやってきて、彼女は調理場に立ってもらった。
私はその頃朝からビールを飲み出勤していた。それでも、店へ通う気力がなく、北千住までは行くが店へは出ず引き帰るという日もあった。
そんな苦渋な日々を過ごしていたが、そんな行動を取る日が多くなると、彼女はパート仕事に忙しく働いていた。
そんなある朝私は、自殺未遂事件を起こしている。
そのころ、嫁さんは働いていたが、私の電話連絡で、家へ戻った。私は胸を果物ナイフで二度さしたが死に切れなかった。
心臓の位置はもっと下だったようだった。それだけでも不快な彼女は、私の父と喧嘩する日が増えたのである。
私は精神病院へ入院することになった。
その事だけで、精一杯なのに、嫁は昼は店を手伝い、それから練馬の病院へ毎日通うことになった。
彼女に言わせると、彼女の乗るイプサムの走行距離は一日200キロメートルになるそうだ。
私は知ったのは、彼女が家を出て行って二年目だった。
志歩が風呂場で言っていたのは、「お父さんの背中はボツボツが出来ているんだろうか?」だった。
私が志歩に嫌われているのが判ったのは、志歩が中学へ通うようになってからだ。
全ては空是空である。
私の思惑は、孤貧に徹することだ。
離婚劇 @kounosu01111
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