第三章 登場人物・用語解説
※第三章のネタバレを含みます。
<登場人物>
◇
・男性 17歳
切断の稀癌罹患者であり、
漆の精神を支えていた存在を忘却したことで、情緒不安定に拍車がかかる。施設を飛び出した夜、街中で肩がぶつかった男性にしつこくからまれ事件を起こす。漆には男性が自分を責める化け物に見えていた。
狂乱蟲が取り除かれても彼が稀癌から解放されるわけではない。そして大切な人のことも徐々に忘れていくだろう。この先の人生をどう生きるかは彼次第である。それでも、奏繁が彼に大切な人を思い出させたことは無意味ではなかったはず。
◇
・男性 24歳
更科奏繁の親戚の男。幼少期は親戚の子供達の兄貴分を気取っていたが、自分の不出来さを痛感してからグレ始めた。そのまま悪い先輩たちと親しくなり高校を中退、親からも勘当される。しかし人を傷つけるほどの度胸はなく、構成員ですらない使いっ走りをしていた。
親戚の少女の死をきっかけに更生を決意したが、運悪く事件に巻き込まれる。射牒とは過去いろいろあったらしく頭が上がらない。
自信さえ取り戻せば、人当たりよく他人思いの兄貴分。だが誡のことはどうしても苦手らしい。
◇
・男性
連盟所属の術者。凄腕の稀癌狩りであり断罪者である。見た目は三十代後半くらいの美男だが実際はそれよりも長く生きているらしく年齢不詳。若い頃にレーゾン・デートルと接触したことがあるようで、かの吸血鬼を忌々しく思っている。
連盟の中では比較的高い地位にいる。本名は昔に捨てた。
◇ルー◇
・男性 24歳
連盟所属の術者。術者の学校を首席で卒業したが、実戦には慣れておらず拙い部分が目立つ。魔術の腕を磨くため断罪者となった。ベテランの紳士とペアを組み実地研修中。将来を有望された人材である。
<用語>
◇
術者の互助組織。世界各国に支部がある。目的は魔法・魔術の安定した研究、及び離反者の処理。術者世界の秩序を謳い、表の人間に害を成す術者や狂った稀癌罹患者を処理する部署もある。実態は判明しておらず謎も多い組織。
◇
魂に刻まれた、人間が永遠に追い求めると誓った願いのこと。原始、魂を核に最初の人間が生み出された際に神が人に願いを持つことを許したことで生じた。一人一人願いには違いがあり、原始の自分がどんなことを願ったのかは、後の自分には分からない。しかしどんな人間も無自覚に魂願を叶えようとする性質がある。大昔には魂願を見定める占い師のような人間もいた。
稀癌は魂願との類似度が高いほど安定し、また成長しやすいと言われている。
◇――指定◇
連盟が敵対者に付ける称号のようなもの。捕獲、殺害、排除の対象であることを示す。連盟のデータベースには全ての称号付の情報があり、それらの動向を観測する部署もある。
しかし災害指定クラスにまでなると戦闘よりも逃走が推奨される。相対しては人間の力では敵わない、もしくは多くの犠牲を出してしまう存在である。文字通りの災害。
この称号の最高位にあるのが「原罪指定」である。危険度の高低に関係なく、存在そのものが人類の害悪となるモノに付与される。現在この称号をつけられているのは原始の怪物、レーゾン・デートルただ一人。
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