あとがき
ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
オリジナルで長編連載を完結させるの、実は初めてなんです。なんだかんだ一年以上やってたんですね、こんな暗い話。皆様には感謝しかありません。特に作者の蛇足にまでお付き合い下さっている、これを読んでいる方には特に。
最後なので、各キャラの話とか連載中のお話とかさせていただければと思い、あとがきを書き始めました。こんな長いあとがき見た事ない人もいるでしょう。実は私もないです。なにやってんだコイツ、最後の最後で狂ったのかって思ってます。
まずキャラクターについてですね。全てをずらっと文章にすると読みにくいので、キャラ別に分けてみました。好きだったり、気になるキャラのところだけ読んでいただければと思います。
そのまま、その他書きたいことについてぽ〜〜と書いています。これも気になる項目だけ目を通していただければ。
エラー
名前は404エラーから。実を言うと、エラーが書きたくて始めたんです、この話。彼女が始まりの点です。ヤバいヤツらだらけで、作品の中じゃ陰薄くなっちゃってるのが面白かったですけど。
そうして次に生まれたのがラッキーなんですよね。それについては後述するとして、彼女を描きたいと思っていなければ生まれていなかった話です。生まれてきてくれてありがとうって感じですね。
ちなみに、初期設定では過去の頭おかしいセッで左耳が上半分無いって設定だったんですが、色々あって辞めました。
エド
名前は503エドウィンから。503エラーもかなり有名なので、そっちと絡めてエラーとどうにかしようか迷ったんですが、なんか面倒になってやめました。エド本人は絶対503エラーとか知らないし。
主要キャラの中で、ずば抜けて書きやすいキャラでした。ムサシがエドに関わった時点で、「これ最終的にムサシ絶対捨てられるやん」と思った方も結構いたかと思います。でも、エドには絶対に彼女が必要だったんですよね。エドの初恋は間違いなくクレですが、初めて恋愛をしたのはムサシなんじゃないかと思います。まともに距離を縮めたの、この二人くらいじゃないですかね。っていうかエドはこんな状態でよく「自分はレズじゃない」とか言えましたね。アホなんでしょうか。
クレ
見ててイライラするクソ女を書こうとしたらこうなりました。端から見てると本当に苛つくのに、顔がいいせいか、目の前で泣かれると手を差し伸べたくなっちゃう系の。もちろん私は可愛いと思って書いてますが。たまに「クレ〜〜(怒)」という感想をいただいたりして面白かったですね。
サタン
作品一の愛されキャラでした。ACT.6という序盤で、彼女が何者なのかを明かしたという構成も手伝ってのことかと思います。
「【殺伐百合】とか【特殊性癖】とか言ってるけど、お前の言うそれって結局どんなのよ」と思いながら読み進めてらっしゃる方も多いと思い、「例えばこういうの」と提示するイメージで彼女を掘り下げた話を序盤に持ってきました。正直、構成的にはもっと後でも良かったと思うんですよね。でも受け付けない人は少なくないだろうし、長々と読ませておいて「なんじゃこりゃ」となったら申し訳ないな、という気持ちからああなりました。
ムサシ
最初はモブのつもりで書いてました。いえ、もちろん、ムサシが出てくるシーンを公開する段階では、”今後メインになるキャラ”として書き直してましたが。本当に一番最初のプロットの段階では名前すらついていませんでした。大出世ですね。
でも、こういう”一見間違ってないキャラ”、一度やってみたかったので良かったです。彼女の難しいところは、”正しいところ”なんですよね。正義を貫き過ぎて悪になるタイプのキャラです。
流れで見るとつい同情してしまいがちですが、”自分の方が正しいんだから何したっていい”。ここだけ抜き出すと彼女の異常性がはっきりと分かりますね。ダメだよ、木刀や鉄パイプで人を殴ったら。誰も死んでないの奇跡だよ。
ラッキー
ありがたいことに連載中に”ラッキーなんなの?”という感想をいくつかいただいておりました。ラッキーのキャラクターはほとんど最初から決まっていて、つまりあのメンツが脱走するということも最初から決まっていました。そこから「これいけるな」と連載を始めた格好になります。「ちゃんと完結するんかいな」というご意見もありましたが、見かける度に「安心して!(ネタバレだから言えないけど!)」と思っていました。ハラハラさせてすみません。
実はラッキー、ある部分についてはモデルとなった人がいます。多分、その子と知り合っていなかったらこのキャラは生まれておらず、つまりこの作品は生まれていなかったかもしれません。人との縁がどんな形で自分に影響をもたらすのか、本当に分からないものですね。
ちなみに、運が悪いのにラッキーって呼ばれてるっていう設定にしようか迷った挙げ句、「ベタ過ぎてなんか恥ずかしい」と却下されてます。運悪い子にされなくて良かったね。
曲について
今回、わりと初期の段階で、キャラクターにテーマ曲のようなものを決めて進めました。長く書いていると、物語の進行を優先してキャラクターの行動や言動に一貫性がなくなると聞くので。中心になる音楽があれば、それを基準にして考えられるんじゃないかと思ったんですよね。主要キャラだけですが割り振ってプレイリストを作って、それをずっとぐるぐる聴きながら書いたりしました。結構楽しかったです。
エラー:9mm Parabellum Bullet:Black Market Blues
まぁブラックマーケットっていうか刑務所なんですけど……(笑)実はこれ、最初クレっぽいと思ってたんですが、書いていく内に「なんか違うな」と思って色々と考える内に、上記のやり方を思いつきました。
エド:fuzzy control:I'LL get the freedom
実はこの中じゃ唯一の、どストレートなラブソングなんですよね。彼女がこの曲聴く時は、場面によってクレのこと思い浮かべたり、ムサシのこと考えたりしてんだろうなぁと思います
クレ:髭(HiGE) : ドーナツに死す
エラーもそうですが、楽曲の世界観が殺伐としてますよね。元々好きでよく聴くアーティストなんですが、シャッフル再生で聴いていて、”新しいママは、もう来ないよ。”という歌詞に「うわあ!」となって、そのまま彼女のイメソンで使わせていただく事にしました。
サタン:オワリカラ:今夜のまもの
タイトルで「うわぁ……サタンだ……(笑)」となった方もいると思います。女性ボーカル曲の方が合うかと思ったんですが、これがドンピシャ過ぎて。
ラッキー:ポルカドットスティングレイ:サレンダー
B-4区画の中では唯一の女性ボーカル曲ですね。これもそのままな感じです。なんかラッキーだけお洒落でスタイリッシュなのウケますね。
ムサシ:日食なつこ:ログマロープ
これも一部のフレーズ、”無事でなど、居たくない”に惹き付けられてイメソンで使わせて頂くことにしました。この6人の中で、最も捨て身の行動を迷いなく取れるのが彼女だと思っています。エドもそれなりに動ける気はしますが、彼女の場合は短絡的というか、あまり深く考えていないだけなので。ムサシはもっと色々と考慮した上で命を捨てられると思うんですよね。普通に怖い。なんだこの女。
キャラクターの名前について
”いかにも馬鹿がつけそうな名前”がコンセプトでした。なので、ナルシスト数が元ネタのナルシスについては、かなり取扱に困りましたが(私自身馬鹿なので、そんな言葉があるなんて調べるまで知りませんでした)、「よく考えたら自分でそう名乗ってそうじゃん。周りにもおナルちゃんだと思われてそうだし、オッケーオッケー」という、彼女にはとても失礼なゴーサインが出た経緯があったりします。ハイドについては分かる方と分からなかった方がいると思います。hydeの身長からです。
殺伐について
私なりの”殺伐”は作品に込めたつもりです。足りなかったでしょうか。次回作はもっと頑張りたいですね。とは言いつつも、この作品は「私がシリアスを書いたらこうなります」という、名刺のような作品にしたいと、気合いを入れて取り組んだ作品です。しばらくは殺伐はお休み? するかもです。できるかな。
性癖について
元々この作品は、軽々しく変態という言葉が遣われていることに疑問を投げかけたくて始めたものです。【変態=スケベ】は違うよなぁと思っています。「ねぇ、見て。変態ってこういうのだよ」という気持ちで書いてました。
ファッションアイテムみたいに付け外しされる”性癖”という言葉に心底うんざりしてました、むしゃくしゃしてたんです。
変態AVなどと言われますが、本当の変態ってまず自分の好みに合ったAVが存在しないんですよね。試しにググってみると、謎のボカロ曲が出てきたり。そういう、変態ならではの経験や失敗ってたくさんあると思うんです。
それを「極端な話すると、歪んだ性癖持って生まれるってこういうこと。かっこよくないし簡単じゃないよ」と表現したかったのがこの作品です。
クレ可哀想すぎでは?
私も序盤は書いててそう思ったんですが、中盤辺りからは「むしろコイツに惚れたエドが可哀想」くらいの気持ちでいました。
タイトルについて
タイトルはすごく悩みました。いつも思いつかなくて悩んだ挙げ句、かなりどうでもいい名前を付けてしまうんですが、シリアスでそれはマズいだろうということで、自分なりにしっかりと考えたつもりです。色々と調べていく内に、ラビッツには脱走囚という意味があると知り、それまでシャカラビッツくらいしか知らなかった私は感銘を受けました。ネット小説で英字タイトルはタブーというのは知っている上に、別の作品でも「それで損をしている」とまで言われたこともあるのですが、どうしても使いたかったんです。
意訳すると”脱走囚ちゃん達について”とでもなるんでしょうか。前述したように、どうなるどうなると言われていましたが、実はタイトルで軽くネタバレしてるんですよね。ラッキーは脱走せずにファントムに来ているので。これ、「これから脱走するよ〜って示唆してるな」とは思いましたが、まぁ過程が大事だろうということで、押し切ることにしました。
ちなみに作者は英語が苦手です。
最後に
連載中、色々なことがありました。
カクヨムでのえっちな表現の限界に挑戦とか、そんなつもりは一切ないのですが(というかえっちな表現はえっちなので恥ずかしくてあんまりしたくないです)、そうせざるを得ないような流れになることが多くて、投稿するときに「ガイドラインにある削除対象です、って警告がきたらどうしよう」と悩む機会が多かったです。それに伴って自分の認識が徐々に変わっていくのが面白かったですね。
「あぁ、キスまでは大丈夫なんだね(ガイドラインを読みながら)」→「直接的な描写がなければ、性行為があったことを仄めかすのはセーフかな(他の作品を読みながら)」→「一人でしてるだけだから大丈夫(?)」とどんどん自分の都合のいい方に解釈が進み、最終的に「派手に喘がせたり性器の名前を出さなければ何をしてもいい」まで堕ちました。
また、締め切りギリギリで、たまたま知ったWEBアマチュア小説大賞様に応募させていただいたことも思い出深いです。感想をいただけただけでも有り難かったのですが、更に特別賞までいただけて、とても光栄でした。
今だから言えますが、「応募規約にR-18ダメって書いてあるけど、この話投稿したら規約に引っ掛からないかな」とか心配していました。
受賞した日はアクセス数、伸びましたね。一話だけ(笑)
一人で「ですよね〜」と笑っていました。
各所で感想を書いて下さった方々へ、とても励みになりました。
元々「反応もらえないから書かない!」となるタイプの作者ではないつもりですし、そもそもまともな反応欲しかったらこんな話書くな、というような作品ではあるんですが……。
感想もらえたらそりゃ嬉しいよ、人間だもの。
ただ、この作品を「シリアスめな百合だよ!」と、他人に勧めている方を見た時は流石に「やめて!!(汗)」となりました。
連載当初から、百合好きの地雷原を裸で爆走するような設定である自覚はありました。クレの過去とか、クレの過去とか、あと忘れちゃいけないのがクレの過去とか……。あぁ、あと極めつけはクレの過去ですね。
冗談は置いといて、他にもキャラの口調とか、それぞれがわりとカジュアルに色んな女と寝たりとか。まぁでもしょうがないですね、そういうのが書きたかったので。なので、お付き合い頂いた方には、そう言った意味でも感謝しかないです。
個別の人気は、サタンの項目でも書いたのですが、ダントツでサタンが一番でした。書いてて「なんでサタン人気あるの?」(ひどい)なんて思っていた時期もありました。付き合うならという質問に変えると、サタンを選べる人は限られてきそうですが。
付き合うとしたら、客観的に見て誰が一番無難なんでしょう。わかりませんね。エドかムサシでしょうかね。変な性癖ありませんし。ちなみに私はエラーがいいです。
正直、こいつらとまださよならしたくありません。みんな好きだしみんな可愛いです。エドにかーさんメシはー? とか言われたいです。かーさんじゃないですが。
もしエラー達にまた会いたくなったら、その時は一話から読み直すのがいいのかも知れませんね。
今一度、私自身がこの作品と向き合わないといけないのかもしれません。
ここまで読んで下さって、本当にありがとうございました。
また別の作品でお会いできることを願っております。
ここで宣伝ですが、落ち着いたら(?)、こちらの作品を連載する予定です。
In The City
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888807652
炭坑×退廃×超ピンポイントの刺すようなフェチ要素
で構成された百合作品にするつもりです。良かったら遊びにきてください。
また、後日、番外編ということで以前ツイッターの方でアップした小話などを投稿予定ですので(手が空いたら書き下ろしもするつもりです。ムサシがファントムでどう過ごしたのかとか、アメリカでラッキー達が何やってたのかとか)、よろしければそちらも読んでやって下さい。
それでは。
ありがとうございました。
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