Corpse Emotion
いっちょまえに手足がついていた。
生きてるだけで、もう
動くだけがどうした
歩けることがどうしたと
嗤うくらいはできていた
なんてことない痛みに耐える
苦痛を味わう余裕もあった
感情なんてないはずの人形に
いっちょまえに心がついていた。
一手前に命が終わってた。
その絵にも似た見栄
見てみたいね、笑み
水色に染まる水のよに
青色に負ける藍のよに
知りもしない誰かが奪う
個性を守る術も知らず
感情なんてないはずの人形は
一手前に命が死んでいた。
街は鮮やかな孤独で、
電車の席の隙間に入り込む。
立ち上がって歌い出して
誰が言ったか警察を呼んだ
いっちょまえに手足がついてるせいで
私はそこら辺の人の形
なしてなんて何度言って
なしてなんて何度知って
結局したいことはひとつだけ
成してみたいって泣いてみて。
どうにかして
窓からのぞく光を
窓から私を覗く光を
どうにかして。
寒い化粧で誤魔化した意味を
煩わしく鳴らす昨日の音
言い訳にも似たその音を
奏でる人形は使わない手足、
二つ、どうせなら全部
明日を歌える音にしてよ。
不肖の詩 青葉 千歳 @kiryu0013
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