愛想笑い

 愛想のない愛想笑い


 見透かされて嗚呼、損な笑い


 離れていく人を見て得をしたと、


 想う心に愛はない



 愛想のない愛想笑い


 昨日もしてた、そんな笑い


 明日も何も変わらないなら、


 愛を想う心もない



 もっと上手に笑えたら、


 きっと今以上に面倒で


 もっと下手に笑えたら、


 きっと楽になれるのにね。



 腹の底から笑って泣いて


 それが人間らしいんだって


 できない私は何なんだって


 言えないことすら相まって



 乾いた笑みが干涸らびた


 そんな心で息をした


 このまま沈んでいけたらなって


 吸った息を飲み込んだ




 嗚呼いつもそう、笑えない


 見透かされる心もなければ


 傷付くこともないんじゃない


 それでいいなんて思ってる



 あいつもそう、笑わない


 淀んだ心を抱えているなんて


 気付かれることもないんじゃない


 愛を受け入れる心もない



 装うことに慣れ過ぎた


 見繕うところもないままに


 素敵な笑顔だねってどうか


 勘違いして下さい。



 海の底で溺れて叫んで


 どうせ聞こえやしないんだって


 そんな私はどうしたって


 生きてるなんて言わないんだって



 乾いた生に縋り付いた


 そんな命で息をした


 このまま歩いて往くのかって


 吐いた息に問いかけた

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