反撃準備
さあ、ベルトをゲットしたので帰ろう!
……なんて。ヘリエスのあの性格、しかも先程の剣幕では決してそんな考えにはならないだろう。
今自分の身に起きた変化のこともあるし、彼女の言っていた魔王がどうとかいうファンタジーな話も笑ってはいられない。
何か科学では説明できない力が働いているのは確かだ。
何もしなくて良いのなら、正直この戦隊モノの悪者のような頭のおかしい格好を解いて普通に家に帰りたい。けれど、きっとそうも行かない。
……ヘリエスは俺だけでなく、母さんも殺す気だったから。
――そうなる前に、俺が迎え撃たなくては。
そう。そのために、さっき俺はベルトを家とは反対方向に投げた。向上した身体能力のおかげで存外遠くに飛ばせたから、あれを拾いに行ってこちらに戻ってくるのは少なくても5分、いや、10分はかかるだろう。
こうして家を目指していれば、俺の方がヘリエスよりも早く着くはずだ。
大丈夫、上手くいくはずだ。
頭ではそう思うのに、心臓がドクドクと嫌な音を立てて治まらない。
蒸発した父親が魔王だったらしい件について 密家圭 @kei00001
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。蒸発した父親が魔王だったらしい件についての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます