第???話 きちがいエピローグ

6月24日 10:00 〔大広間〕


『貴様ら方、投票結果が出たのであります』


 モニターからの音声に僕は胸のざわめきを感じていた。

 先ほどまでぬいぐるみの姿が映っていたモニターは死んでいった者たちを含めた十人の顔写真が並ぶ映像に切り替わっている。

 僕はチラとコロの方を見遣る。顔を伏せたままのコロはその大きな体を小刻みに揺らし、まるでおびえているような様子である。自身で罪を自白しておいてなぜそんな態度をとっているのか。僕はコロの心理を全くつかめないでいた。


『果たして投票でクビと指定されるのは誰なのか……って、今回はドキドキもハラハラもないでありますよな。それでも、本官は議長でありますから、しっかりと最後まで職務を全うするのであります。シラベさん、そしてウツミさんを殺したクビの正体。貴様ら方が下した結論は?』


 ドゥルルル、と。口頭で表現したような間延びしたドラムロールの音声がモニターから流れる。表示された僕らの顔写真が明滅を繰り返し、そして。


『投票結果は満場一致! 七票を獲得しクビに選ばれたのはコロ君であります! おめでとうございます、でありますよ!』


 浮かび上がったのは『茶池コロ』の文字。作られた演出に僕は吐き気を催しながらゆっくりとモニターから視線を外す。


「く、ククク。ぼ、僕が自白したんですもんね。当然の結果です」


「コロさん。どうしてあなたがこんなことを」


「ど、どうして、ですか? じ、事情を話すとの約束ですからね。お話ししますよ」


 満場一致、ということはコロもコロ自身に投票したのだ。常に怯え、そして自身がクビであると告白した後も彼の表情からは怯えが消えない。いったいどうして。苦しそうに笑うコロを見て僕は疑問を募らせる。


「やはり十二年前の事件と関係が?」


「もちろんですよ、あの事件。ぼ、僕は目撃者として事件と関わっていたと話しましたよね。で、でも。実は隠していたことがあるんです」


 コロの肯定に僕らは身構える。沖縄民宿放火事件。僕とマコが巻き込まれ、マコの父親が命を落とした事件だ。ぬいぐるみがもたらした写真のヒントで浮かび上がった僕たちの繋がり。やはり、今回の事は十二年前に端を発していたのだ。


「十二年前、放火犯として逮捕された女性、月影ヒカエはぼ、僕の母だったんです」


 顔をゆがめるコロ。月影ヒカエの名に場の何人かが反応する。月影ヒカエ。十二年前の事件の犯人として捕らえられた人物の名だ。


「冤罪を掛けられ、メディアの誤報に苦しみ、自ら命を絶った僕の母親。と、当時十六歳だった僕の心に大きなトラウマを残す出来事でした」


「それじゃあコロさんは、母親の仇を討つために事件関係者である私たちを集め、私たちを殺すことで復讐をしようとしたのですか?」


「は、はい。半分はその通りですよ」


 デンシの問いかけにコロは震えた声で答える。半分は? 疑問に思ううちにもコロは話を進める。


「僕の父が事故で亡くなったのはぼ、僕がまだ幼い頃のことです。父は資産家の出で、母の実家は田舎で小さな雑貨屋を経営する貧しい家計。そんな中恋に落ちた父と母は、身分が釣り合わないと双方の両親から結婚を反対されていた。ふ、二人は駆け落ち同然で逃げ出し、地方で家を借り暮らすうちに僕が生まれました。そんな背景でしたから母は父が亡くなった後も親類に頼ることができず、一人で僕のことを育ててくれました」


「母がドラッグに手を染めているのを知ったのは僕が中学校に上がる時です。母の様子がおかしいことに気付いた僕は吸引式のドラッグを使用する母を発見しました。仕事の疲れから解放されるために使用していたというのを聞いたときには、母に負担をかけている自分のことを呪いました。僕なんか死んでしまえばいい……その願いを神様は聞きつけてくれたのでしょうか。僕の周りでは事故や不運が多発するようになりました。不幸を呼ぶ子として世間から注目を集めるようになってしまった僕を母は庇い、僕たちは転居を繰り返すように。僕は僕自身の事をどんどん疎ましく思う様になりました」


 自身の身が切り裂かれているかのように悲壮感を孕んだ声でコロは独白を続けていく。悲劇の過去。不運の連続だった彼の前に十二年前の事件の影がかかる。


「沖縄に移り住んだのは僕が十六歳の時でした。転居で費用がかさみ、まともな職にも付けない母の体調は日に日に悪くなり、ストレスからドラッグの使用量は増えていくようでした。僕はそんな母を前にしても自身を責めるばかりで何か行動に移すことができなかった。母の苦しみ、嘆き。それらをすべて知っていながら僕は逃げ続けたんです。事態を放っておけば大変なことになる。そんなことは明らかだったのに、僕は事態を改善しようと動くことを恐れた。そんなことをすれば弱った母がほ、本当に壊れてしまうんじゃないか。僕はただただ恐ろしさに身を震わせていたんです。だから、こうなることは当然でした。僕の不幸はとうとう母を飲み込んでしまった」


 徐々に真剣みを増していくコロの声色。僕らは口を出すことなくコロの独白を聞き入る。


「運命の日。民宿で起こった放火事件により母は容疑者として捕まった。たまたま通りかかった火災現場で取り押さえられる母に対し僕はやはり、ただその光景を見ていることしかできませんでした。ともすれば母はこれで救われるのかもしれない。そ、そんな哀れな幻想すら抱いて僕は事態を静観していたんです……ですが、テイシさん。あなたは違った」


 コロがようやく顔を上げる。重くよどんだ両の瞳で僕を見据えてくる。


「僕、ですか」


「は、はい。燃え盛る火の中へと向け走り出していったのは僕よりもまだ幼い少年でした。その少年は自ら困難に立ち向かい、そして犠牲を払いながら火事の中から一人の少女を救い出しました。周囲を、自身を呪うばかりで事態の解決に走ることができないでいた僕にはその少年の行動はあまりにまぶしかったんです。あの少年ならきっと僕のことも救ってくれるんじゃないか、そんな希望を抱くほどに」


「それが僕だと。でも、ならなんでコロさん。あなたはこんなことを」


「だ、だから言ったじゃないですか。これは復讐だと。結局、母の無実は証明されましたが既に弱り切った母に釈放後、生を繋ぐだけの心の強さは残されていなかった。母は僕に何も告げることなく天井から垂らしたロープで首を吊って、自ら命を絶ちました。ぼ、僕は母を失って、絶望し、ようやく自身の力で動き始めたのです。失って初めて母を失う恐怖が消えたんです。もう何もかもが遅いというのに笑えますよね。父方の実家に引き取られた僕は跡取りのいなくなったその家でそのまま後継者として育てられました。大人になり社会に出ると自由に使える時間とお金ができた。僕はそのすべてを事件の調査に当てたのです。そして、ようやく僕は真実にたどり着くことができた」


 音一つしない静寂の中、コロの声だけが広間を包む。僕はコロの言葉を聞きながら言い知れない不安を感じ取っていた。


「真実、ですか?」


「十二年前の事件。あれはただの放火事件ではなかったんです。事件現場周辺の宿泊施設では何年かに一度ごと、定期的に放火事件が起きていた。犯人は薬物で心神喪失状態にあった人間ばかり。警察はそれを薬物業者の拠点があるからだと考え捜査をしていたそうですが、真実は違っていました。僕の調査では犯人とされた薬物中毒者の内何人かは無実であるとの確証を得ました。つまり何者かによって彼らは濡れ衣を着せられていたんです」


「……にわかには信じられない話ですが、それでその何者かというのは同一人物なのですか? どうしてそんなことを」


「狙われた宿泊施設には一つの大きな特徴がありました。それはどれも高額な火災保険に入っていたこと」


「それって、まさか」


「はい。放火事件を起こしていたのは地域の宿泊施設が加盟する団体でした。建造物が古くなると金に困っている者を雇い放火させ、薬物を買う費用を捻出できなくなった薬物中毒者を放火犯に仕立てる。そうすることで新しく施設を建てるだけの保険金を受け取ることができるわけです」


「なっ!? 俺のばあちゃんはそんなことしねえぞ。何言ってやがる!」


 ジンケンの驚愕が大広間の空気を乱す。


「え、ええ。おそらくジンケンさんのおばあさんは知らなかったのでしょうね。僕の調査では十二年前の放火事件を企てたのは施設のオーナーです。ジンケンさんのおばあさんはその人から土地を借り受けていたにすぎません」


「そ、そうだったのかよ」


「で、でもそれならジンケンさんには恨みは無かったんですよね。ならどうしてジンケンさんを参加者にしたんですか」


「恨みがある人物はもともと四人だけでした。ほ、他の人物には僕の行うことの証人になってほしかっただけですよ。僕の母を薬物漬けにした麻薬の売人であるウツミ、母を放火犯だと誤認し警察に突き出したシラベ、放火事件の実行犯であったヨイト。生存者が三人になった時点でこの生活を終了するというのもそのためのルールです。僕が恨みのある人物を殺し、僕が犯人に指名されなかった場合ちょうど七人が死ぬ計算になる。まあ、ヨイトさんが最初に処刑されたのは皆さんにとっても運がよかったということでしょうか」


「そんな。まさかヨイトさんが放火犯だった?」


「ですが、上がった名前は三人ですよ。あと一人は誰なのですか」


「く、ククク。そんなの決まってるじゃないですか。あの時、母を救えるのは僕だけだった。けれど僕は何もせずにただ事態を傍観していた。許せるはずがないでしょう? ぼ、僕は僕のことをずっと殺したかった。今まで生きていたのは復讐のため。それがなされた今、僕は安心して逝けるんです」


 コロの震えが、止まる。僕をとらえるその両の目に光がともる。


「ぼ、僕がこのゲームを開催した理由は二つです。一つは復讐のため。死の恐怖におびえ、により処刑される恐怖を感じながら復讐相手を僕の手で殺す。ウツミのときの首吊りや、火災の見立て殺人、写真による過去とのつながりの示唆。すべては自身の犯した罪を意識させるためでした」


「そんな、コロさん」


「そしてもう一つの理由。それはテイシさん、あなたへの嫉妬でした」


「えっ、僕へのですか」


 期せずして上がった僕の名。僕は思わず息をのむ。


「僕は母を救えなかった。目の前で苦しむ母を見ていながら、何かと理由を付けて逃避し、目をそらし。そしてついには死なせてしまった。けれどもテイシさん。あなたは違った。燃え盛る建物を前に、自身の命の危険すら顧みず建物の中に飛び込んでいった姿は、僕には衝撃的だったんです。そんなことができるのはドラマや劇中の人物だけだ。そう思い逃避を続けていた僕は自分の大切なもののために行動できるあなたに強くあこがれるとともに、嫉妬した」


「でも、僕は。僕がやったのは」


 余計なことだった。そう言おうとして僕は慌てて口をつぐむ。僕はコロが言うようなそんな大した奴ではないんだ。僕が動かなくたってもっとうまく消防隊員がマコを助けてくれたに違いない。そうすればマコの父も死なずに済んだし、マコも傷つかなかったはずだ。

 何年も逃げ続け、目をそらし続けてきた十字架。コロは復讐という形でずっとそれと相対してきたのだろう。なら僕は。僕はコロになんと声を掛ければ。


「テイシさん。僕はもう一度確認したかったんです。テイシさんがマコさんを救えたのがたまたまじゃないんだって。思いの力があればきっと障害を乗り越えられるんだって。そうすれば僕は母を助けるために動かなかった僕を安心して恨むことができるから。死の恐怖を超えて、自身が生きていることに恐怖できるから。僕は生きていてはいけない。そう信じることができるから」


 コロはそう言ってほほ笑むとモニターへ向き直る。


「皆さん。動機を話すという約束は果たしました。ここまでお付き合いいただきありがとうございます。ポリス君。お願いします」


「ちょっと待って! コロさん、そんなの間違ってるよ!」


 大広間に響く声に僕は隣を見る。目に涙をためたマコの表情には怒りが浮かんでいた。


『ななな、なんでありますかな、マコさん。残すはコロ君の処刑のみ。それで晴れて貴様ら方は自由の身になれるのでありますよ』


「マコさんは僕がクビだと知れた後も声をかけてくれるんですね。でも人を殺せば罰を受けるのは当たり前のことです。止めても仕方がないことじゃないですか」


「違う! なんでそうやって逃げようとするの! ルールなんてどうだっていいよ。あなたはお母さんを助けられなかった自分を恨んでいるんでしょ? なら、今のあなたはどうなのよ! ルールだとか理由をこじつけて何とか自分を納得させようとして。動けなかった自分が嫌だったんでしょ? 救えなかった自分が嫌だったんでしょ! なら、今のまま死んじゃだめだ! 過去を後悔したまま死んじゃったらコロさんが救われないじゃない」


 マコの言葉。それは逃避を続けた僕の過去にも通ずるものだった。


「でも。僕はすでに何人もの人間を殺しているんです。僕に救われる資格なんてあるはずがない」


「資格? そんなのあなたはまだ生きてるでしょ。なら変わることができるんだよ! 確かにコロさんは人を殺した。それはこれ以上なく悪いことだよ。でも、何もそれ以外の部分まで自分を否定することはないじゃない! コロさんは母親を救えなかったことを悲しむ心を持っている。なら人を思いやることができるんだよ!」


 止まらないマコの言葉に、大広間の空気が徐々に変わっていくのを感じる。そうだ。マコが教えてくれたんじゃないか。僕はあの事件があってから自身を抑え込むようになっていた。暴走する自分の心を直視したくなくて自分のすべてを否定してきた。

 でも、マコは言ってくれた。私はテイシに救われたんだって。あの時感じた思い。それが僕を確かに変えてくれたんだ。なら、僕は僕の言葉で思いを伝えるんだ。


「僕が、変わる? 無理ですよ。僕は怖いんです。もうこんな自分が嫌で。だから絶対に引けないようこれだけの舞台を用意したんです。テイシさんや皆さんの前で裁かれるために」


「コロさん。あなたはまた過ちを繰り返すつもりですか」


 僕はなるべく落ち着いた声でコロを見据え言葉を発する。


「僕はあなたが言うような凄い人間ではありません。十二年前の事件は僕の心に大きなトラウマを残しました。僕が行動したためにマコの父親を死なせてしまった。そのトラウマから逃げ続けて僕は今まで生きてきたんです。僕が行動すればだれかを傷つけてしまうんじゃないか。僕の行動が取り返しのつかない事態を招いてしまうんじゃないか。恐怖から僕は自分の心と向き合うこともせずにただ蓋をしてきたんです。そして感情が暴走すれば抑えきれずに自己嫌悪を繰り返す。僕は自分のことが嫌いでした」


 僕は今まで犯してきた自身の罪を思い返す。何度後悔し、絶対に繰り返さないと誓いながら実際は自身の内面から目を背け、ただ抑え込んでいただけだった。


「でも。マコに会って、彼女が言ってくれたんです。私はテイシに救われたんだって。もっと自分のことを許してもいいんだって。だから僕はくじけずに最後まで訴え続けることができた。諦めずに真実を探すことができたんです」


「く、ククク。やっぱりあなたはあの時の少年ですね。こんなに歪んでしまった僕まで救おうと言葉を掛けてくれる。でも、テイシさん。どれだけ時間が過ぎても、忘れようと思っても。僕の脳裏には首を吊った母の顔が焼き付いてしまっているんです。僕はどうあっても僕自身を許すことができない」


「なにも過去の行いを許せと言っているわけではありません。起きてしまったことは覆せない。だからこそ人は少しでもいい結果を得ようと前へ進める。大事なのは今をどう生きるかです。同じ過ちを繰り返さないことです。そのために過去はあって、僕たちは後悔するんです」


 僕の思い。十字架に縛られた過去はけれどもただの重荷であってはならないんだ。過去があるから現在を顧みることができる。過去があるから未来をより良い物へと変えるため努力できる。





「く、ククク。テイシさん、マコさん。ありがとうございます。最後に少しだけ救われたような気がします」


『あひゃひゃ。それでもこの生活、ルールは絶対なのであります! いくら言葉を重ねたところで最多得票者が処刑されるというルールは変わらない。たとえクビといえどルール違反を犯してはゲームが崩壊してしまうのであります!』


「なら、クビにルール違反があればゲーム自体が不成立となる、そう言うことですよね」


 ひどく冷めた声が隣から聞こえる。マコはゆっくりとモニターを見上げた。


『クビがルール違反? そんなことあるわけないでありましょう? よくわからないでありますが、そんな事態になれば確かにゲームは成立しなくなるのでありましょうな』


「マコさん。もうゲームは終わったんですよ。いまさら何をしたところで」


「いいえ。コロさん。私は絶対あきらめません」


 嫌な予感が走る。僕は慌ててマコを制止しようとするも、それよりも早く動き出したマコは大広間の一角に保管されているの所へと走り寄って行った。


「マコ!」


「テイシ、ごめんね。でも、コロさんを止めるにはこれしかないんだ!」


 体勢を直したマコが両手で握るのは一本のナイフ。


『あひゃひゃ。マコさん、いまさらそんなもので本官たちを脅せるとでも思っているのでありますか?』


「うん。あなたたちはゲームの成立にこだわってるんだよね。なら!」


「っ!?」


 駆け出した僕よりも早く、マコはナイフの切っ先をへ向けると、お腹目掛け、それを突き立てたのだ。飛び散る赤。遅れてマコの下へと到着した僕の前でマコの上体がふらつく。


「マコ。マコ!」


「ま、マコさん!? 一体、どうして」


「へへへ。前にポリス君が言ってたよね。自殺により参加者が死亡した場合、それはクビが殺したことになるって。そして議会が始まってから処刑が完了するまでクビは参加者を殺さない、それがルールだったよね」


「マコ、しゃべるな!」


 僕は傷口を必死で抑える。ナイフは柄の部分まで刺さっている。だんだんとかすれていくマコの声に僕は狼狽を隠せないでいた。

 マコは僕の方に向き直ると僕にだけ聞こえるような音量で優しく語り掛けてくる。


「テイシ。コロさんは内心ではやっぱり死にたくないんだよ。だけど自分のことが許せないからルールなんて作って自分を殺そうとしている。だったらルールを壊してやればいいんだ。


「おい、マコ。それってどういう……!」


 僕は思わず絶句してしまう。マコのメッセージ、そこに込められた真の思いに僕は気付いたのだ。、そして

 ハハハ、めちゃくちゃじゃないか。僕が小さくうなずくと、マコは笑みを浮かべた。


 マコがコロへと向き直る。


※「この傷じゃあ私はじきに死んでしまう。自殺はクビの殺害としてカウントされるんでしたよね? クビがルール違反を犯した以上、このゲームは不成立なんだ! コロさん。もう、あなたは自分を殺す必要はないんだ。だから、ちゃんと生きて、罪を償って……」


「ま、マコさん。どうしてそこまで」


 動揺を隠しきれないコロはゆらゆらとこちらに近づいてくる。マコは最後の言葉を言い終えると静かに目を閉じた。

 マコがついた。それを暴く二つの証拠を僕は思う。


 それを突き付けるべきか、否か。












「 ――――――――――――― 」


 僕は心を決め最後の言葉を放った。










*              

第二回 幻の十一人目(たぶん、イレブン)?


参加者 8人 → 7人

犠牲者 桃道シラベ

クビ投票結果 茶池コロ 7票

→ 処刑:茶池コロ


クビ正誤判定 → SUCCESS!


第二章 真っ赤な嘘 HAPPY? END!

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