第XX話 きぐるいエピローグ

――ブラックBG18337925 が入室しました――

――レッドBF38256977 が入室しました――

――ブラウンAZ89877253 が入室しました――

――ピンクBC66683258 が入室しました――


ブラック:お疲れさまでした。

レッド:お疲れさまでした。

ブラウン:お疲れさまでした。

ピンク:お疲れさまでした。


ブラウン:反省会の参加者は以上です。よろしくお願いします。


ブラック:私は今回、主人公として事件を解決に導きました。ブラウンさん。ゲームを主催していただきありがとうございます。

レッド:私は今回、ヒロインとして事件を解決に導きました。ブラウンさん。ゲームを主催していただきありがとうございます。

ブラウン:私は今回、首謀者として二回目に処刑されました。皆さま。ゲームに参加していただきありがとうございます。

ピンク;私は今回、被害者として二回目に殺されました。ブラウンさん。ゲームを主催してくださりありがとうございます。


ブラウン:皆さま。今回の反省をお願いします。


ブラック:私は生体ボディを使ったゲームに参加するのは初めてでした。初めて経験する五感、特に視覚情報は新鮮な体験でした。

ブラウン:違和感はありましたか。

ブラック:いいえ。今回のゲームが激しい運動の少ないミステリージャンルでしたから生体の使用に問題はありませんでした。 難易度も適切で楽しかったです。


ピンク:難易度の件で質問があります。

ブラウン:どうぞ。

ピンク:事件のキーとなったウツミ、コロの入れ替わりにはテープレコーダーが使われました。テープレコーダーは何度も再生が可能なため証拠として適切です。ですが、シラベにはウツミ、コロが戻ってきた際になんと発言したのか正確に知る手段がありません。

ブラウン:シラベに対し難易度調整が不適切だったということでしょうか。

ピンク:はい。

ブラウン:貴重な意見ありがとうございます。ポリス君に音声再生機能を付けることで対応可能です。次回開催時には適応範囲を検討します。


レッド:時代背景はいつ頃を想定されていますか。

ブラウン:2010年から2020年の間に設定しています。

レッド:その時代にポリス君ほどの汎用性を有するAIは開発されていません。私はゲーム中、ポリス君を操作する参加者がいると考えました。

ブラウン:ポリス君は直接ゲームに関わる存在ではありません。多少のオーバーテクノロジーはリアリティを損ねるものではないと考えます。また、同年代でも複数の特化型AIを組み合わせることである程度ポリス君のスペックに近づけることは可能です。


レッド:ポリス君のゲーム介入について。ブレーカーの起動はゲームへの過干渉では。

ブラウン:電気系統の維持はゲーム成立に不可欠な要素です。ポリス君の介入は適切な範囲だと考えます。調査中の扉の開閉についても同様です。


ピンク:私の生体が生命活動を終えた後の話となりますが、シラベの胴体は殺害後すぐに死体保管庫に入れられました。後でログを読み返しましたが死体保管庫の中が血まみれであったという調査結果は無かったはずですが。

ブラウン:シラベの首は斧により両断されました。血液は最初、勢いよく噴き出すものの二分もすれば勢いは弱まります。死体保管庫に入れた時には血がそこまで流れていなかったのでしょう。

ピンク:コロはシラベを殺した際に血を浴びています。服を変えれば血の跡は消せますが、匂いはどう処理したのでしょう。

ブラウン:コロはシラベ殺害の際の空白をごまかすために談話室で死体を見て腰が抜けてしまったと証言しています。参加者はその際に血の匂いが移ったのだと考えたと思われます。


ブラック:舞台設定について。霊安室の花壇は他の建造物から浮いていたと考えます。事件のトリックにも関わらないようでしたが何のために設置したものでしょう。

ブラウン:三回目の事件用です。今回のルールでは生存者が三人になるまでゲームが続く可能性がありました。三回目までで解決できなければ六人が死亡。コロが一人殺せば生活は終了となります。

ブラック:どういったトリックでしょうか。

ブラウン:蛇足となりますので公開はいたしません。


レッド:次回開催の予定はありますか。

ブラウン:現在構想中です。電脳の使用解禁等、現代技術の使用制限を緩和したゲーム性の強いミステリー。もしくは2000年代初めに流行した異世界ファンタジー世界を舞台としたデスゲームとなる予定です。


ブラウン:質問は以上でしょうか。感想をお願いします。


ブラック:初参加で主役を与えていただきありがとうございました。以降もゲームを体験し、主催者側として関われるまで学習する予定です。

レッド:生体を使ったデスゲームはコストがかかります。エンターテイメント性を担保しつつより低コストで開催していただけると嬉しいです。

ピンク:プレーヤー同士のバトル要素が良かったです。次回開催を楽しみにしています。




ブラウン:ありがとうございます。以上を持ちまして、多重解決ミステリー『刎ねるディスカッション』はサービス終了となります。皆さま、ご参加いただきありがとうございました。引き続き他のコンテンツもお楽しみください。




――ブツンッ

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