第7話 衝撃
開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。
なんせ、さっき警察に届け出た鍵を盗んでいくという新手の空き巣であろう女が、わが物顔で家のキッチンを使い遅めの昼食を作ってあろうことか、オレにおかえりなさいと言ったのだ。
背筋が凍った。怖すぎるだろ。
女が口を開いた。
「ごめんなさい、あなたに謝ろうと思って、それで一人暮らしの男子が喜ぶのってやっぱ裸エプロンかなとか思ったんだけどさすがにそれは恥ずかしいというかだから美味し...」
途中から話は頭に入ってきていなかった、衝撃の大きさに頭がショーとして完全に機能を放棄していた。
「大丈夫?」
と女が聞いてくる。
「君は一体誰なんだ、とりあえず名前を教えてくれる?」
と椅子に座りながら聞いた。
「北条莉奈、慶明治大学3年生よ、あなたは?」
「白川真太郎早和大学2年生」
「へー、年下なんだぁ」
いやそんなことより、いろいろ説明してほしいことがあるんだけど
「それより、色んなこと説明してほしいって顔してる、まずはごめんなさい、勝手に鍵を拝借してしまって」
「なんでそんなことしたんですか?」
「私、家では玄関に鍵を置いていくスタイルで、コンビニいって水とか買いに行こうと思っていつもの癖で鍵をとっちゃって、あとから気づいて気まずくなってそのままにしてたんだけどやっぱり謝ろうと思って、今に至るの。」
「腑に落ちないけどまぁとりあえず悪意があったわけではなさそうだし、許します」
「ほんと?ありがとう、よかった警察に突き出されると思ってたから」
「被害届はだしましたけどね」
「今度なにか奢るからそれでチャラにして」
「わかりました、じゃあ連絡先を」
こうして謎の女北条莉奈と出会った。
昨日飲みすぎたのだろうか、ひどい頭痛がしていた。
雨が降り始めていた。
明日、君を殺す 軟弱系男子 @sin00dn
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