第6話 再会

その日、変な夢を見たあと二度寝して起きたのは昼過ぎだった。

シャワーを浴び、家をでた。

新手の空き巣問題を解決するためだ。

あんなにダイナミックな空き巣を警察がどう解決するかに少し期待を持っている自分がいる。

そもそも、家に盗まれて困るようなものはない。

いや、見られたら困るものはあるかもしれないが。

そうこうするうちに、最寄りの警察署についた。

中に入って、事情を説明したものの、

「親切心とはいえ、知らない他人を家にあげるのは...」と明らかにめんどくさがってたし、知らない女性を家にあげたと告げた時点で警官の顔は下心あったんでしょ?と聞きたげだった。

とりあえず鍵の紛失届けだけを出し、帰宅した。

異変に気づいたのは、ドアノブに手をかけてからだ。

「鍵があいてる」

合鍵で行く時に鍵はかけたはず、予想通りなら、そう思って開けたドアの先にあった光景は少し予想の斜め上をいっていた。

あの女がエプロンをつけ、遅めの昼食を作っているところだった。

そして女は言った。

「おかえりなさい」

と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る