第4話
世界バランスを壊されてはたまらないので転生者を返還していただけなのだが、今回の事件に関して言うと世界バランスがどうこうじゃないようで…
絶賛世界を幾つも覗き込んでアイツらのアジトを探して入るのだが、一向に見つかる気配がない。いや、多少語弊があったので訂正をさせてくれ。
世界が幾つもあり過ぎて見つけきらない!!読者の方々に実際どれくらいの世界があるのかをわかりやすく知ってもらおうと思うと…貴方達が住んでいる地球上に住む生物の総数の倍以上である。え?余計わかりにくくなった?とりあえず、認識としては終わりが見えない階段を上ってるくらいの認識でいて欲しい。
早急に終わらせなければ…とくに理由はないが早く帰って柔いゼリーの上でとろけたい。前回も俺の容姿には関して紹介したと思うが、今回は俺のような体質だからこそ出来る探索をしてしまおう。まず自身の体を塵芥にする。ただしその間塵芥は1つでは無く億単位の塵であり、その塵一つ一つに思考を持たせる。さぁ!後は文字通り散り散りになり調べるだけだ!!
結構な時間が経ったので情報報告のため塵芥をまたどこか1つの場所に集め塵芥から球体に変身する。無い…ナイナイナイ…何処にもないじゃないか!!ということはなんだ!…アァ!めんどくささと同時に敵のアジトがあるであろう場所がなんとなくだが想像がついてしまった…
追加補足だが、今俺が探したのは幾つもあり過ぎる世界である。これらは当然時間差はあるのだけれど大まかに見れば並列の関係だ。
しかし並列が有るのだから垂直も存在する。最近異世界転生者を続出させている面倒な輩が住んでいる上の世界と過去並列の世界全てを征服しようとした自分勝手な輩が住んでいるしたの世界。考えるに上の世界の誰かが原因だろうから即刻上の世界に登ってゆく(乗り込んだ)。
ビンゴ!!原因は最近上の世界で生まれたばかりのあまり宜しくない思想をお持ちな悪女のような神が転生者を無差別に増加させ、挙句にはバランサーを消したら世界がどうなるかを見たかったようである…
重くそしてイラつきを含めた声で
「覚悟しろ」
と一声発したと同時に俺は全武力を新参者の神とそこにゾロゾロと群がる転生者に向けて発射する。
これで今回の案件は解決である。後日談になるが悪女のような神は存在そのものを消した。転生者は素直に帰ってくれるような奴らは元の世界に送り付け、帰る気のない血気盛んな奴らは存在を無かったことにした。世界は今日も無事になんの偏りもなく回っている。
今回は短い時間の内に終わったので本当に良かった。
お気づきだろうか?俺が神を殺したということを。生まれたばかりだとしても神は神なのでそんな簡単に殺していいわけがない。それなのになぜ俺はいとも簡単に殺すのか。それは俺が世界の在り方から外れている者だからである。
俺の存在とは世界のバランスを保つための存在である。バランサーと言うらしいが…要は現象に過ぎない。問題が起きたからその問題を無かったことにする。その為だけに生まれた存在。だから俺が仕事をしないなんて言うことは有り得ないし、実際にしなくなってしまえば世界も神も悪魔も全てがなくなってしまう。
なので俺が裁く対象は人である時もあれば悪魔でもはたまた神のときだってある。今回はたまたま神が人を唆しバランサーを殺してしまおうと思って実行してみたところ失敗に終わった。そんな話だ。別に不思議でも何でもない。
4回に分けて俺の話を聞いてもらったが、これら全ては俺の仕事の内のほんの少しで、俺からしてみれば今回の件は日常茶飯事程度の問題である。
だから俺は今日も明日もその次の日も飽きるまでこの世界達を見守り時には手を出すのである。
世界バランスを壊されてはたまらないので転生者を返還してやる ヌンティ @numty501
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます